2024/11/30 13:35 ウェザーニュース
朝晩の冷えが肌にしみる季節がやってきました。気温が下がってくると温かい鍋物やシチュー、煮込みなどの出番です。
そんなときに活躍する野菜の一つがにんじん。オレンジ色も美しく、料理の彩りには欠かせない根菜。栄養豊富で野菜不足になりがちなこれからの季節には欠かせません。
このにんじん、調理する際、1本全部使うと多すぎる時があります。だからといって使いかけで冷蔵庫に入れておくとしなびて黒ずんでしまい、使えなくなることも。
このところ、主産地での夏の暑さの影響を受けて生育が遅くなり、値段が高めになっている場合もあり、より上手に最後まで使い切りたいものです。そこで、便利で長持ちするにんじん保存のコツを、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに教えてもらいました。
1年を通して店頭に並んでいるにんじんは、4月から7月に旬を迎える春夏にんじんと、10月から12月に旬を迎える冬にんじんの2種類あります。
「これから旬の冬にんじんは甘みが強く、栄養価が高いといわれています。特に、美肌や風邪予防などに効果があるβ-カロテン含有量は、野菜の中でもトップクラスです。
野菜は生えていた状態で保存すると長持ちする場合が多くなります。そこで、にんじんを新聞紙かキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れてから、これからの冬は冷暗所、気温が高い時季は冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
この時、にんじんが濡れていると傷みやすいので、しっかりと水分は拭き取っておいてください。使いかけの場合は、切り口にぴったりとラップを貼り、あとは丸ごとの場合と同様に保存してください」(吉田さん)
長持ちさせるには冷凍もおすすめだそうです。
「使いかけ、たくさん買ってしまった、忙しくてさっと調理したい、などの場合は冷凍保存がおすすめです。
にんじんの代表的な栄養成分であるβ-カロテンの含有量は、生だと6900μg(マイクログラム/可食部100g当たり)であるのに対し、冷凍すると9100μg(同)となり、よりアップするとされています。
冷凍するには、薄くイチョウ切りや千切りなど小さめに切ってから電子レンジで30秒程度加熱します。冷めたら水気を切ってチャック付き保存袋に入れて冷凍してください。
使う時は解凍せず、そのまま調理しますが、油を使うとβ-カロテンの吸収率も高まります」(吉田さん)
現在、泥付きにんじん以外のものは、出荷前に機械で洗浄しながら表皮がむけた状態になっています。にんじんの栄養は皮のすぐ下に最も集中しているので、できれば皮はむかずに調理すると、栄養を無駄なく摂ることができるといいます。
これから冬に向かって、ビタミン類豊富なにんじんを上手に保存して、おいしくいただきましょう。