2024/11/07 09:30 ウェザーニュース
今日11月7日(木)朝、山梨県の甲府地方気象台は富士山の初冠雪を発表しました。平年より36日遅く、昨年より33日遅い観測です。
最も遅い記録は2016年の10月26日だったため、これまでの記録を10日以上塗り替え、1894年(明治27年)の統計開始以降の130年間で最も遅い記録を更新しました。
富士山頂では三連休明けから気温が氷点下のまま推移していて、昨日朝9時には−10℃を下回りました。5日(火)夜から昨日6日(水)朝にかけては弱い降水があったため、山頂付近では雪が降ったとみられます。降水の多かった静岡県側では広めに雪が積もり、山梨県側では雪が降った範囲は狭かったとみられます。
昨日は静岡県側では晴れてひと足先に雪化粧した富士山の姿が見られました。山梨県側は雲が多い状況でしたが、今日になって甲府地方気象台からも冠雪の状況が確認され、初冠雪の発表となりました。平年より36日遅く、昨年より33日遅い観測です。
これまでの富士山での最も遅い初冠雪の記録は2016年の10月26日で、今年はこれを12日も更新することとなりました。
▼ここ数年の富士山の初冠雪
2024年 11月6日
2023年 10月5日
2022年 9月30日
2021年 9月26日
初冠雪とは、その年の「最高気温日」を観測して以降に、「山の全部または一部が、雪または白色に見える固形降水(雹など)で覆われている状態を下から初めて望観できたとき」を指します。
富士山の初冠雪を観測、発表するのは甲府地方気象台です。たとえば富士山の麓や静岡県側から雪化粧が見えたとしても、山梨県甲府市にある甲府地方気象台から富士山の冠雪の様子が見えないときには初冠雪は発表されません。
以前は河口湖測候所も同様に観測、発表をしていましたが、2003年9月に河口湖測候所の有人化業務が終了した以降は甲府地方気象台に一元化されています。
これまでに最も遅い初冠雪の記録となっていた2016年は、実は9月25日の朝に静岡県側や山梨県の富士吉田などからは雪化粧をした富士山が見られ、ウェザーニュースアプリにもたくさん写真が寄せられていました。統計として記録されないのはしかたがありませんが、麓からは早くに冬の装いが見られていたことになります。なお、独自に「初雪化粧」を観測している山梨県富士吉田市役所からも、9月25日に初雪化粧が宣言されていました。
一方、今年は11月5日までにウェザーニュースアプリの利用者からの目撃情報も、富士吉田市からの初雪化粧宣言もなく、正真正銘の最も遅い記録だったといえそうです。
今日11月7日(木)は上空に寒気が流れ込んでいるため、東日本や北日本のその他の山々でも初冠雪の発表がありました。
▼初冠雪の発表 11月7日(木)9時30分まで
横津岳 函館地方気象台
平年より9日遅く、昨年より21日遅い
朝日岳 山形地方気象台
平年より13日遅く、昨年より16日遅い
龍山
平年より4日遅く、昨年より16日遅い
男体山 宇都宮地方気象台
平年より3日遅く、昨年より13日遅い
浅間山 前橋地方気象台
平年より7日遅く、昨年より6日早い
富士山 甲府地方気象台
平年より36日遅く、昨年より33日遅い
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)