2024/11/13 09:29 ウェザーニュース
今秋は、何度も暑さがぶり返すなどしましたが、朝晩の冷えや街路樹に冬の気配も感じられるようになってきました。寒い時季に嬉しいのが温かい飲み物や食べ物、活躍するのが電子レンジやオーブンです。
ふだん何気なく使っている電子レンジやオーブンですが、「使える容器と使えない容器があり、誤った使い方では発煙・発火のおそれがある」のです。改めて確認してみませんか。
家庭でよく使われている電子レンジやオーブンは、料理の温めや冷凍食品の解凍、お菓子作りなどにとても便利です。しかし、ふと使っている器について不安になることもあります。
「レンジ加熱か、オーブン加熱かによって、使える容器が異なります。誤った加熱方法では、容器が変形したり、発煙・発火するおそれもあり危険です。加熱前に、加熱の種類と容器の材質、耐熱温度表示を確認してから、使用する必要があります」(日立グローバルライフソリューション商品企画・芹澤千恵さん)
(1)プラスチック容器
保存容器などでよく使われているのがプラスチックですが、種類が多く、それぞれ確認が必要です。
「電子レンジについては、『電子レンジ使用可』、耐熱温度140度以上のものが使えます。これらの表示がなかったり、耐熱温度表示が140℃未満のものは使えません。
オーブンも同様に、『オーブン・グリル使用可』の表示があるものや、耐熱温度表示がある容器を耐熱温度以下で加熱する場合に使えます。
注意したいのは本体が使用可能でもフタは使用不可のものがあることです。両方きちんと確認しましょう」(芹澤さん)
(2)シリコン容器
素材は「シリコン」でも、製品によって耐熱温度などが異なるので、表示を確認しましょう。
「電子レンジには、『電子レンジ使用可』、耐熱温度140度以上のものが使えます。オーブンも、『オーブン・グリル使用可』の表示があるものや、耐熱温度表示がある容器を耐熱温度以下で加熱する場合に使えます。
耐熱温度など表示がないものは使えません」(芹澤さん)
(3)陶器・磁器
ココット皿やグラタン皿のように、陶器や磁器は電子レンジOKなイメージがありますが、使えないものもあります。
「電子レンジで、色絵付けのあるもの、ひび模様、金・銀模様のあるものは使えません。そのほか、素焼きの陶器、土鍋、吸水性の高い陶器や磁器も使えません。また、特殊な形状のものは、温まり方にムラができるなどして危ないこともあるので、使用しないようにしましょう。
オーブンには、耐熱性のあるもののみ使えます」(芹澤さん)
(4)ガラス容器
ガラス容器は耐熱性次第ですが、使い方に注意が必要だといいます。
「耐熱性のあるガラス容器は、電子レンジ、オーブンともに使えます。ただし、加熱後に急冷すると割れることがあるので注意しましょう。
耐熱性のないもの、クリスタルガラス・カットグラス・強化ガラスのような特殊なガラス製の容器は使えません」(芹澤さん)
(5)金属製の容器・金物
レンジ加熱に金属は使えないイメージですが、例外もあるようです。
「電子レンジに金属製の容器は、付属の角皿を含め使えません。アルミホイルのみ、解凍時に加熱し過ぎを防ぎたい部分を覆うために使えます。使用時は、アルミホイルが加熱室壁面やドアガラスに触れないようにして下さい。火花(スパーク)が出るおそれがあります。
オーブンには、金属製の容器や串などが使えます。持ち手がプラスチックのものは溶けるおそれがあるので、使えません」(芹澤さん)
(6)漆器など木製の容器、紙類
お椀などの漆器や木製ボールなども使えるのでしょうか。
「基本的に、電子レンジ、オーブンともに、漆器などの木製の容器は使えません。
竹串、楊枝、紙製品は、電子レンジの使用方法に掲載されている使い方に限って使えます。
オーブンでのオーブンシートやケーキ用型紙なども、パッケージに記載の耐熱温度以下で使用して下さい」(芹澤さん)
(7)ラップ類
料理の保管などに使うラップ類も、外装で耐熱温度を確認します。
「電子レンジでは、耐熱温度が140℃以上のラップが使えます。
オーブンでは、ラップが溶けたり発火したりするおそれがあるので使えません。例外的に、発酵時など45℃以下では使えます」(芹澤さん)
安全のためにも、毎日のように使う電子レンジやオーブンの使い方をしっかり確認しておきましょう。
取材協力
日立グローバルライフソリューションズ