2024/09/05 12:00 ウェザーニュース
9月になって朝晩は少しずつ秋の気配を感じられるようになってきました。北海道の大雪山旭岳(姿見の池付近)では9月14日頃より見頃となる予想で、いよいよ今年の紅葉シーズンが始まります。日本アルプスなど東日本の標高の高い山では9月下旬から見頃の紅葉を楽しめそうです。
ウェザーニュースでは、この夏の天候などをもとに2024年の紅葉見頃予想を発表しました。全国の紅葉名所の見頃日を確認して、紅葉狩りの計画にお役立てください。
■ポイント■
・一部で色付き遅れるも、広範囲で見頃は平年並葉が色付く時期は秋の気温と深く関係しており、気温が低いと色付く時期が早くなり、高いと遅くなります。
今秋は11月にかけて全国的に平均気温が高い傾向となりますが、東日本や西日本を中心に晴れる日が多くなるため、朝晩は放射冷却により冷え込みます。葉が色付くために必要な気温低下が見込めることから、今年の紅葉は平年並の見頃となるところが多い予想です。
ただ、9月後半から10月上旬にかけては東日本を中心に曇りや雨の日が多くなる予想で、放射冷却が効きにくくなるため、朝晩の気温低下が抑えられる可能性があります。このため、平年10月に見頃を迎える名所など、一部ではやや遅い見頃となる可能性もあります。
夏の天候は葉の育ち具合や傷み具合を左右し、色付きの良さに影響を与えます。
今夏も全国的に気温が高く、特に北日本と東日本太平洋側は記録的な猛暑となりました。また、台風が次々に日本列島に接近し、台風5号は東北太平洋側に、台風10号は九州や西日本・東日本の太平洋側を中心に大雨をもたらしました。
お天気アプリ「ウェザーニュース」を通じて8月23日〜24日に葉の状態を調査し、全国1304人に回答をいただきました。 調査の結果、全国的な傾向としては夏の天候による葉への大きな影響はなく、今年も鮮やかな紅葉が期待できそうです。特に、北海道はほどよい雨と日照があったため、昨年よりも葉の状態がよい傾向にあり、美しい紅葉が期待出来ます。
一方、四国では少雨の影響で虫食いの被害が昨年よりも増えていました。また、西日本は全体的に平年よりも日照時間が長く、葉が焼けてしまっている可能性があります。全体の見栄えを損なうほどではないものの、一部に影響が出る可能性があります。
アプリでの調査後に、台風10号が西日本や東海、関東南部を中心に大雨をもたらしましたが、現時点では紅葉名所への大きな影響はない模様です。
葉が鮮やかに色付くためには、夏の天候だけでなく秋に適度な日差しと雨があり、気温がしっかりと下がることが必要です。
今秋は全国的に天気が周期変化して、葉が鮮やかに色付くために必要な日差しや雨、朝晩の冷え込みが十分に見込めるため、鮮やかな紅葉が期待できます。
ただ、9月下旬は西日本や東日本の太平洋側に、10月は東日本の太平洋側に台風が接近する可能性があります。台風の影響次第では紅葉の見栄えや名所へのアクセスに影響が出る可能性があるため、随時最新の情報をご確認ください。
※ 見頃の定義:一つの名所の中で、全体の約7割が色付いたときから落葉が始まった日まで
※ 見頃の平年:2004年から2023年の期間で、紅葉が見頃を迎えた日から落葉が始まった日の平均
※ 天候の平年:1991年〜2020年の過去30年平均