2024/09/01 09:17 ウェザーニュース
2024年の夏の期間(6〜8月)の日本の平均気温は、速報値で昨年と並んで過去最高となりました。厳しい暑さが長期間続いたことが特徴的です。
この夏の気温は全国的に平年を大きく上回り、1898年から統計を開始した日本の平均気温偏差は過去最高を記録しています。
都市化の影響が小さく地域の偏りを考慮した15地点(※)の観測値による、今年2024年の日本の夏の平均気温偏差は速報値で+1.76℃となりました。これまでの記録を大幅に更新した昨年と並ぶ過去最高です。
▼夏の平均気温偏差の高い順
2024年 +1.76℃
2023年 +1.76℃
2010年 +1.08℃
2022年 +0.91℃
1994年 +0.79℃
月別でも7月が過去1位、6月と8月が過去2位の高さで、夏の期間を通して気温が高かったと言えます。
※算出に使用している地点
網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島
特に梅雨が明けてから8月にかけては西日本、東海を中心に夏空が継続し、厳しい暑さが続きました。福岡県太宰府市では7月19日から8月27日まで40日連続猛暑日となり、日本歴代最長を記録しています。
また、8月の平均気温は西日本や東海の主要都市で軒並み30℃を超え、広島市の30.7℃、福岡市の30.5℃は観測史上1位の高さです。
名古屋市は日最高気温で過去10位以内に入った日はないものの、8月上旬の10日間の最高気温の平均が38℃を上回るなど、高温の日が連続しました。
ウェザーニューズ気候テックチームが1976〜2010年のデータの解した結果、名古屋市で8月上旬の最高気温の平均が38℃以上になる確率は1%未満で、非常に稀な暑さです。
温暖化が進んで平均気温が2℃上昇した場合のシナリオで解析した結果では、発生確率が約8倍に上昇。温暖化が進行すれば同様の暑さが起こりやすくなると考えられます。
梅雨明け以降は太平洋高気圧が西に大きく張り出すことが多く、さらに高い所を覆うチベット高気圧が大陸から西日本方面に張り出しました。地上付近から上空の高い所まで高気圧に覆われたことで安定した夏空となり、強い下降気流によって気温が上昇しやすくなりました。
高気圧にしっかりと覆われたことで、西日本は8月中旬まで台風の接近がなかったことも高温が続く要因の一つです。
また、昨年から続く海面水温の高さも記録的な暑さに大きく寄与しているとみられます。昨年、今年と2年連続での酷暑は、温暖化が進んだ夏の姿と言えるのかもしれません。