2024/09/01 08:52 ウェザーニュース
台風10号による大雨や暴風で緊急安全確保や避難指示などが日本各地で発表されました。非常持出袋や避難経路の確認などといった、日頃の備えがまさにいま試されるタイミングで、9月1日の防災の日を迎えています。
そのほか、2024年は能登半島地震をはじめ、南海トラフ臨時情報など、避難経路や備蓄の見直しを行った方も多かったと思います。
そこで、非常持出袋の備えを考えるべく実態がどのようになっているのか、ウェザーニュースでは「減災調査2024」を実施しました。
非常持出袋の所持について聞いたところ、「持っている」と「持っていない」で約半分に分かれました。
都道府県別で見ると、「持っている」の割合が比較的高い都道府県は、南海トラフ地震防災対策推進地域とほぼ合致していて、東海や紀伊半島を中心に高い所持率となっています。また、能登半島地震の被害が大きい石川県でも所持率が高くなっています。
「非常持出袋を持っている」方の中で、中身を見直したことがあるかどうかを確認したところ、約4人に1人が「定期的に見直している」という結果となりました。
また、「ある」と「定期的に見直している」を合計して、見直したことがある方は全体の約8割を占めています。少なくとも1年に1回は非常持出袋の中身を見直すようにしてください。
ローリングストック法は「循環備蓄」とも呼ばれていますが、食料を一定量キープしておき、少しずつ使いながら買い足す方法のことを言います。
この方法を実践しているかどうかを確認したところ、「すでに実践している」が過半数、「名前だけ知っている」が約3割で、まとめて「知っている」が8割以上を占める結果となりました。ローリングストック法がだいぶ浸透しているのがこの結果からも伺えます。
非常持出袋を所持のきっかけについて確認したところ、「地震の発生」が過半数を占める結果となりました。また、「大雨や台風などの水害」が10.8%と、地震と比べると水害をきっかけに備える人は少ないようです。
しかし、都道府県で見ると中国地方を中心に「地震の発生」の割合が比較的低くなっています。これは「大雨や台風などの水害」と回答した方が多く、フリーコメントを見ると、西日本で大きな水害をもたらした「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」がきっかけで、非常持出袋を所持したと回答した方が多くいました。
飲料水と食料、それぞれの備蓄について聞いたところ、飲料水と食料で大きな違いはなく、いずれも約9割弱で「3日以上」備蓄しているという結果となりました。
非常持出袋の中身について確認したところ、回答の割合が低かったのは「生活用水」「防災頭巾(もしくはヘルメット)」の2つ。地域環境によっては「生活用水」は井戸水などで対応できる所もありますが、地震など災害発生時は生活用水を近くで手に入れることが難しくなります。手洗いなど生活に必要な水も、飲料水と合わせて用意しておく必要があります。
その他の回答として多かったのは「モバイルバッテリー」、「簡易トイレ」、「生理用品」、「懐中電灯」などが挙げられます。
「非常持出袋を持っていない」方の中で、非常持出袋の準備を検討したことがあるかどうかを確認したところ、「検討したことがある」が約7割という結果となりました。
「検討したことがある」と回答した方の中で、非常持出袋をなかなか持てていない理由として一番多かったのは「準備が面倒」「置く場所がない」という回答です。そのほか、フリーコメントを見ると、「非常持出袋はキャンプ用品で代用できる」や「ペットがいて、避難できない」、「避難場所が遠いため、その場に留まるほうが安全なケースが多い」といった回答もありました。
非常持出袋を持っている人もそうでない人も、防災の日をきっかけに日頃の備えを見直すことが防災・減災の意識を向上にも繋がります。今後も一緒に防災・減災の意識を高めていきましょう。
ウェザーニュースでは、今後も過去の災害の教訓を伝え、次の防災・減災に繋げる取り組みを続けてまいります。
「減災調査2024」(防災の日)
対象:スマホアプリ「ウェザーニュース」利用者
期間:2024年8月24日〜26日
回答数:18,652