2024/08/29 13:20 ウェザーニュース
8月29日(木)13時には、強い台風10号(サンサン)は天草・島原付近を北上しているとみられます。この後はさらに動きが遅くなる見込みで、長引く荒天に警戒が必要です。
▼台風10号 8月29日(木)13時(推定)
中心位置 長崎県南島原市付近
大きさ階級 //
強さ階級 強い
移動 北 15 km/h
中心気圧 970 hPa
最大風速 35 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 50 m/s
台風10号は今日8月29日(木)8時頃に鹿児島県薩摩川内市付近に上陸しました。台風が日本に上陸するのは今年2つめで、鹿児島県への上陸は2022年台風14号(非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸)以来です。
鹿児島県枕崎市では未明に51.5m/s、長崎県雲仙岳では朝に38.0m/sの最大瞬間風速を観測しました。
台風10号はこのあとも九州西岸付近を北上したあと次第に進路を東寄りに変え、明日昼にかけて九州北部を横断する予想です。風の影響は特に明日30日(金)までが顕著で、明日には暴風域はなくなる予想です。暴風の吹き荒れる間は安全な屋内で過ごしてください。
なお、鹿児島県に発表されていた暴風・波浪・高潮特別警報は警報や注意報に切り替えられました。現在は特別警報の出ている所はありません。
台風の中心付近やスパイラルバンドと呼ばれる腕状の雨雲の直下では非常に激しい雨が降っていて、大雨となっています。宮崎県内では24時間降水量が600mm、72時間降水量では800mmを超える大雨となっている所もあります。
台風が上陸したあとも雨のピークは続き、進行速度が遅いため影響が長引く見込みです。九州では明日にかけても、大雨や暴風、高潮、高波に厳重な警戒が必要です。
上空の風が弱いため、台風10号の進路予測は不確実性の大きい状況が続いています。今の所、台風10号は今夜以降、進路を東寄りに変えて比較的遅い速度で西日本を縦断するように進む予想です。進行速度の予報は日に日に遅くなっています。
暴風の影響は小さくなる一方、雨の影響は週末以降も継続します。台風が持ち込んだ大量の水蒸気の影響で大雨が続き、台風の進行速度が遅いことから雨量がかさむおそれがあります。局地的には500mmを超える雨が降り、記録的な大雨となるおそれがあるため警戒が必要です。
この図は台風を移動させる上空の風の流れの予想を示したものです。強い偏西風は北海道付近に離れているため影響を受けることができません。台風の東西にはそれぞれ大気中層の高気圧が発達する見込みで、その縁辺をを吹く風の流れが台風を移動させることになりそうです。
西側では南に向かう風が、東側では北に向かう風が吹くと予想されていて、どちらの影響を強く受けるか次第でその後の動きが決まってきそうです。
この影響で進路予想は信頼度が低くなっていて、複雑な動きをする可能性も考えられます。進路の予報が変わっても一喜一憂せず、大雨への備えを行うようにしてください。
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風10号の名前「サンサン(Shanshan/珊珊)」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。