2024/08/09 17:36 ウェザーニュース
8月9日(金)15時現在、台風5号(マリア)は暴風域を伴って日本の東の海上を北に進んでいます。進路の不確実性は大きい状態が続いているものの、三連休最終日に東北にかなり接近して上陸する可能性があり、注意が必要です。
▼台風5号 8月9日(金) 15時
中心位置 日本の東
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 北 30 km/h
中心気圧 980 hPa
最大風速 30 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 40 m/s
台風5号は明日10日(土)にかけて暖かい海域を北上するとみられ、加えて台風の南側からは水蒸気の供給が続くため、さらに発達して一時的に強い勢力となる見込みです。その後11日(日)は進路を徐々に西寄りに変え、水蒸気の供給が弱まって勢力を落とすとみられます。
三連休最終日の12日(月・祝)以降は進路の不確実性が大きくなり、台風進路図の予報円が大きくなっています。北海道の東側へ向かう可能性から、西寄りの進路を進んだ場合は関東など東日本方面に向かう可能性もゼロではありません。予報の中心を進んだ場合は、12日(月・祝)に東北に上陸して、雨や風など直接的な影響が大きくなるおそれがあります。
台風に近い東日本や東北の東の海上では、すでに波が高くなってきました。今後、海上の波はさらに高くなり、うねりを伴うことが考えられます。台風が北日本方面へ進んだとしても、関東でも三連休を中心に海のレジャーは控えた方が安心です。
*破線で囲まれた「予報円」は、その時刻に台風・熱帯低気圧の中心が入る確率が70%の範囲を示しています。予報円が大きいことは、台風の強さや大きさを表すのではなく、不確実性(誤差)が大きいことを示しています。
台風5号の進路に大きな影響をもたらすのは、日本のはるか東に中心をもつ太平洋高気圧です。
台風は主に上空の風によって移動します。代表的なのは強い西寄りの風であるジェット気流ですが、現在は日本列島の北を流れているため、台風5号の動きには関与しません。今回は高気圧の縁を吹く南寄りの風によって、台風が北上する見通しです。
日本海にも高気圧があり、今後は段々と二つの高気圧がつながる形となって台風の北上を妨げる可能性があります。高気圧の勢力が強まった場合は台風が北上できず、西寄りの進路を進んで東北や関東などに近づくことになります。
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にかなりの幅があることをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、日本の東の海上を北上する傾向は概ね揃っているものの、その先は進路のシミュレーションの結果にばらつきがあるのがわかります。北海道の東を通る予測もあれば、東日本方面に向かう予測まであり、影響も大きく変わってきます。ただ、これまでの予測に比べると、東北付近へ進んで日本海に抜けるものがかなり増えてきました。
西寄りの進路となった場合は、三連休からお盆期間に北日本や東日本で風雨の影響が出る可能性があります。日が経つにつれて誤差は縮小していく見込みですので、今後の情報にご注意ください。
5日先までに台風の暴風域に入る確率が5%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
青森県 9 %
岩手県 30 %
宮城県 42 %
秋田県 25 %
山形県 30 %
福島県 31 %
茨城県 18 %
栃木県 17 %
群馬県 8 %
千葉県 6 %
新潟県 22 %
上中下越 22 %
佐渡 10 %
台風の発生は7月21日に発生した台風4号以来でおよそ半月ぶりです。今月に入ってから1つめの台風発生です。
台風発生数の平年値を見ると、8月の台風発生数の平年値は5.7個で、一年の中でも最も台風の発生が多くなる時期です。今年も日本の南で複数の台風が発生する可能性があります。秋にかけての本格的な台風シーズンとなりますので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風5号の名前「マリア(Maria)」は米国が提案した名称で、マリアナ諸島のチャモロ語の女性の名前からとられています。