2024/09/29 05:10 ウェザーニュース
まだまだジメジメした湿度が高いカビの季節が続きます。なかでも湿気の多いお風呂場に、「赤色の汚れが発生して困っている、効果的な対策を知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、赤カビの除去方法と予防法を教えていただきました。
そもそも赤カビとは何なのか、どうして発生するのか、放置するとどうなるのかを伺いました。
「赤カビはピンク汚れやピンクヌメリとも呼ばれますが、正式にはロドトルラという酵母菌の一種です。馴染みのない言葉なので、ここでは赤カビと呼ぶことにします」(穂苅さん)
発生する主な原因は、次に挙げる3つです。
(1)高湿度や水分の残留
お風呂場はお湯を使うため、湿度が高く保たれる場所です。
「入浴後に水滴や水分が壁や床、タイルの目地に残っていると、赤カビが発生しやすい条件が整います。このような環境下で、赤カビは短期間で広がってしまうのです」(穂苅さん)
(2)20〜30℃の温度
「赤カビが繁殖しやすい温度は、20〜30℃です。夏場はもちろん、お風呂場は冬でもこの温度帯になることが多くあります。暖かい温度は赤カビの繁殖速度を速め、短期間で目に見えるまでに広げてしまいます」(穂苅さん)
(3)皮脂や垢などの栄養源
「赤カビは人の皮脂や垢などを栄養源に成長します。これらの有機物は、シャンプーボトルの裏や排水口などにも溜まります。栄養源豊富な場所は、赤カビの温床となるので注意が必要です」(穂苅さん)
赤カビを放置するとどうなるのでしょうか。
「まず、繁殖が速いため一気に広がります。あらゆる場所に広がると除去が困難になるので、発見したらすぐに対処することが必要です。
赤カビを放置すると、黒カビの発生原因になります。黒カビは赤カビを栄養源として繁殖し、市販のカビ取り剤では完全に除去できないくらい頑固です。
黒カビは、健康被害を引き起こすことでも知られています。黒カビの胞子を吸い込むと、喘息やアレルギー症状を悪化させることがあり、人によっては重大な健康被害が発生します。
赤カビ自体が直接的な健康被害を生むことは少ないのですが、赤カビも胞子を放出するため、アレルギー反応を引き起こすこともあり得ます」(穂苅さん)
では、発生した赤カビはどうすれば除去できるのでしょうか。
「まず知っておいていただきたいのは、赤カビが酸性の性質を持っていることです。酸性の汚れを効果的に除去するには、アルカリ性の洗剤が推奨されています。しかし、アルカリ性の洗剤は取り扱いに注意が必要です。そこで、汚れのレベルに応じたおススメの方法を紹介します」(穂苅さん)
日常的な予防策で、赤カビの発生を抑えることができるのでしょうか。
「まず、換気を徹底してください。赤カビを防ぐためには、湿気を取り除くことが最も重要です。換気扇を回すだけでなく、窓があれば開けて外気を取り入れましょう。
次に、入浴後に浴室全体にシャワーをかけ、皮脂などカビの栄養源を洗い流してください。特に赤カビが発生しやすいシャンプーボトルの底や排水口周りは入念に流すことが重要です。
入浴後、浴室内の水分をしっかり拭き取ることも、赤カビの発生防止に有効です。スクイージーや吸水性の高いマイクロファイバークロスを使って、壁や床、鏡、シャワーカーテンなどに残った水滴を取り除いてください。
赤カビの発生を防ぐには、週に1回程度、こまめな掃除が不可欠です。中性洗剤や重曹で浴室全体を掃除しましょう。
浴室の収納方法を工夫することも、赤カビの発生防止に役立ちます。シャンプーボトルや石鹸ケース、スポンジなどを床や棚に直接置かず、吊るす収納にすると水が溜まりにくくなります」(穂苅さん)
湿度が高いカビの季節でも、しっかり赤カビの発生を防いで、お風呂場を清潔に保ちましょう。