2024/07/28 10:31 ウェザーニュース
この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週より少ない水準です。東北から関東の太平洋側で地震が目立つ状況が続いています。震度3以上の地震は4回発生しました。(7月22日〜28日10時の集計)
22日(月)10時07分頃、茨城県北部を震源とするマグニチュード4.8、深さ89kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県水戸市、日立市、笠間市、ひたちなか市、土浦市、栃木県宇都宮市、鹿沼市、埼玉県加須市、福島県白河市などで最大震度3を観測しています。
茨城県北部を震源とする震度3以上の地震は今月4日以来で、今年4回目です。地震のメカニズムは西南西ー東北東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。
茨城県北部の地震は今回の震源よりもやや内陸部で、浅いタイプが良く発生しています。沿岸で起きる地震は深さ90km前後と深いものが多い傾向です。この付近のプレート境界は50〜60kmですので、地震のメカニズムからも今回の地震はプレート内部で起きたと考えられます。
25日(木)13時01分頃、千葉県北東部を震源とするマグニチュード4.0、深さ33kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉県大網白里市、九十九里町、一宮町、白子町、長南町で最大震度3、千葉県の太平洋沿岸を中心に震度2の揺れを観測しています。
同じ最大震度3ではありますが、揺れた範囲は茨城県北部の地震よりも狭くなりました。
千葉県北東部を震源とする震度3以上の地震は4月3日以来で、今年3回目です。地震のメカニズムは北北西ー南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
今回の震源付近はフィリピン海プレートと陸のプレートの境界が深さ30km前後の地域です。地震のメカニズムと深さから、プレート境界もしくはその近くで起きたとみられます。
関東の2度の震度3は、いずれも地震が多く発生している領域を震源とするもので、特筆するような活動ではありません。
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も規模の大きな地震は南太平洋・バヌアツ近海で発生したマグニチュード6.0です。
今回注目する地震はアメリカ・テキサス州の地震です。日本時間の26日(金)深夜に、テキサス州の中部を震源とするマグニチュード5.1、深さ約3kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北西ー南東に張力軸を持つ正断層型と解析されています。
23日(火)頃からマグニチュード3以上の地震が頻発し、最も大きなものがマグニチュード5.1で、そのほかにマグニチュード4クラスが4回発生しました。テキサス州は地震が少なく、マグニチュード5以上の地震は2023年11月以来です。
地質調査所によると、アメリカの中部や東部では近年地震が増加していて、地下の深い所への廃水注入が関連している可能性を指摘しています。今回の地震も同様であるか、すぐに断定することは難しいものの、1950年以降に目立った地震がないエリアであることから、人為的な誘発地震の可能性は十分にあるとみられます。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。