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突然失踪する友人の本性とは? 映画『影裏』の制作裏話を松田龍平に聞いた!

  • 2020年2月24日
  • Walkerplus

沼田真佑による芥川賞受賞作を実写映画化したヒューマンミステリー『影裏』が2月14日(金)より全国公開中。『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督が原作に惚れ込み映像化した本作。主人公に寄り添いながらも突然行方をくらませる男・日浅を演じた松田龍平にインタビューに話を伺った。

転勤で盛岡に移り住むことになった今野(綾野剛)は慣れない土地で暮らす中、会社の同僚の日浅(松田龍平)に出会う。同い年である彼らはすぐに打ち解け合うが、ある日突然、日浅は姿を消す。日浅を探し始める今野だったが、複数の人間によってこれまで見えてきた彼とは全く違う人物像が浮き彫りになっていく物語となっている。

ーー原作を読んで、本作の撮影をしてみた感想はいかがですか?

撮る前に少し原作を読んでみて、少し設定が変わっていたので、映画用にいろいろ脚色していると思いました。でも、雰囲気はすごく『影裏』という世界観を感じました。台詞回しとか、ニュアンスみたいなものと言うんでしょうか。映画はより今野と日浅との関係性を分かりやすくしているんじゃないかとも思います。男同士の友情の先にある感覚が見え隠れするというその曖昧な部分が大切なんじゃないかなと思いましたね。

ーー初めに日浅に対してどのようなイメージを持たれましたか?

初めて登場した日浅はロン毛で自由に生きてるという人物で、どうしても以前出演した『まほろ駅前』シリーズを思い出してしまうので、だからこそ少し外れたいなという思いはありました。男2人の話でどこか自由奔放で変わってるようなところも似通っているので。劇中途中で髪を切って、着ているものもスーツに変わるんですが、今野にとって確実に知らない日浅がそこにいるというシーンは意識していました。

初めは分かりやすく雰囲気変えるとか、匂わせる必要があるかと思ったんです。今野はいろんな人の話を聞いて、色々な人から日浅がどんな人物だったかを聞いて、こんな日浅もいるんだということを気付いていくんですが、脚本を読んだ際、日浅という人間を演じる上で、それらの情報がどこまで必要なのかということが、とても難しかったですね。色々な人が語ることによって本質がわからなくなってしまうんです。撮影をしながら徐々に、日浅が今野と2人でいる時に、日浅という人間が話していることを素直に感じて、あとはそこにどういう気持ちが生まれるのか、現場で感じながら演じていました。

ーー腑に落ちないところは次第に解消されたりとかしました?

現場に入る前に自分がイメージした人物像と違うなと思うこともあったんですが、絶対こうだろうって思って行ったらそうではなかった時に、どう反応出来るかが大切だと思うんです。そういうことがやっぱり人生でも永続的に起きるし、そういう感覚が今回演じる上でとても面白かったですし、勉強になりましたね。

ーー日浅はより人間らしいという役柄なんでしょうか?

そうかもしれないですね。ただ「人間らしいってそもそもなんですか?」と聞かれると難しいと思います。「人って実は魔法が使えるんじゃないか」「空を飛べるんじゃないか」というと思えることもある。だから人間に対しての想像力というのは果てしないんだと思います。だからこそ、どんな人間にでも仕立てられてしまう。日浅はすごくそういう可能性を秘めている人だと思います。急に失踪していなくなったりする、人の心を翻弄させる。でも蓋を開けたらすごく人間らしいただ釣りが好きな男。一生懸命生きるために必死でやってる一人の男なんじゃないかと撮影しながら感じました。

ーー日浅を演じるに当たって役作りはされましたか?

役作りという役作りは釣りぐらいですね、日浅は釣りが好きな人物だったので、撮影に入る前に岩手に先に行って、川釣りの指導を受けました。川釣りはほとんど初めてで、撮影中は1匹しか釣れなかったんですが、とても楽しかったし、またやりたいなと思いました。今まで自然に行っててアウトドアを楽しむ習慣もなかったんでいろいろ面白かったです。

ーー松田さん自身と日浅と自身が似ている部分はありますか?

「突然失踪する」とまではいきませんが(笑)、似てるところもあると思います。人との距離感って依存するとかしないとか、色々あると思うんですけど、日浅はそういう距離感がすごく上手いんでしょうね。意図的にやってるっていうというよりも、人との距離感を常にとって依存するのが怖いんだと思います。一人で生きていける人、常にそういたいんじゃないかなと思いますね。

ーー大友監督から演技の注文などはありましたか?

大友さんはやっぱりシーンにこだわる情熱というかイメージはしっかりと持っているので、「このシーンはこういうイメージで」っていろいろ話してくれるんですけど、その話してる姿が本当に楽しそうなんです。その大友さんの楽しそうな姿が、僕のモチベーションになりました。『ハゲタカ』でも大友監督の作品に参加させてもらったのですが、やっぱりそういう方だなと改めて思いましたね。

ーー盛岡のロケや『盛岡さんさ踊り』の実際のお祭りのシーンなんかも印象的でしたけど撮影はいかがでしたか?

すごく賑わっていたし楽しかったですよ。(本物のお祭りを使用していたので)すごく勝負に出たなと思いましたけど。映画でお祭りのシーンを撮るのはよくありますけど、そこで実際に役者が歩いてみる。本物のお祭りとそこでフィクションの役を背負った2人が歩くということで、ヒリヒリした感じが生まれたと思います。演じる僕たち自身も、「本物のリアリティに負けないように」という気持ちがあったと思います。

ーー今野に向かって放つ日浅のセリフ「人を見る時はな、その裏っかわ、影の一番濃い所を見るんだよ」というセリフが印象的でしたけど、このセリフについて松田さんはどうお考えでしょうか?

今表に映っているもの、光が当たっている場所だけが、その人の全てだと思うのは危ういなとは思います。あえて裏のところを見ようと思わなくていいけど、表があれば裏もあるよねという程度の考えはあった方がいいのではないかとは思いますね。この映画の全てが詰まったセリフではないと思いますが、とても印象的なセリフになったなとは思います。とても雰囲気のある映画だと思うし、岩手の自然も本当に美しい。ご覧頂いた方が何かを感じてくれたら嬉しいです。

『影裏』は2月14日(金)より全国公開中。(関西ウォーカー・桜井賢太郎)

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