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影山貴彦のテレビのホンネ。唯一無二の上沼恵美子 。今年は彼女の年だった

  • 2019年12月3日
  • Walkerplus

■ 「私、 知らない」 で、 済ませてはなるまい。受け手にも謙虚な姿勢が必要だ

 今年は上沼恵美子が大きくクローズアップされた年だ。関西では、全く説明が不要なほどの唯一無二の存在として大活躍を続けている上沼だが、全国的には知らない人もいる。そんな彼女のことをローカルタレントと捉える向きもいるが、それは大きな誤りだろう。

 かつて、全国ネットを複数含むレギュラー番組を10本以上抱えていた上沼恵美子を知らないということ自体、失礼な物言いなのだという認識がもっとあっていい。「私、知らない」で、単純に済ませてはなるまい。

 エンターテインメントは、それを楽しむ受け手の側にも作法があると私は思っている。「無知」であることを恥ずかしく思わず、むしろ開き直るタイプの人間が、今の社会には増えている。送り手同様、受け手にも謙虚な姿勢が必要だ。

 昨年、「M-1グランプリ」での上沼の審査を巡り、不満を抱いた若手芸人たちのネット動画がきっかけとなり、騒ぎに広がった。当コラムで再び流れを細かに説明することは割愛するが、ここで上沼は、「全然気にしてへん!」と大物らしい対応をしたことで、彼女の株がさらに上昇することとなった。

 上沼の代表的番組のひとつ、「快傑えみちゃんねる」(カンテレ)に、松本人志が11月8日ゲスト出演した。この日の番組平均視聴率は18.1パーセント(ビデオリサーチ調べ)を記録した。「M-1グランプリ」の一件があったからこそ実現したともいえる「夢の長尺対談」では、互いのことをリスペクトし合う雰囲気が画面を通じてしっかりと感じられた。M-1の審査員を長らく務める松本の気遣いを十二分に尊重しつつ、自らの存在感もしっかり示した上沼は、文句なくアッパレだった。

 先日、今年もM-1の審査員を務めることが発表された上沼恵美子。喜んでいるのは関西のファンだけではあるまい。まぎれもなく全国区のスターだ。

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」(実業之日本社)、「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。(関西ウォーカー・関西ウォーカー)

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