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「生きてるだけで、愛。」で個性的なヒロインを演じた注目女優・趣里 個性的な役のオファーが絶えない理由とは?

  • 2018年11月9日
  • Walkerplus

 芥川賞作家・本谷有希子の小説を映画化した「生きてるだけで、愛。」。本作で主演を務めるのが、注目女優の趣里。舞台を中心に活動し、近年ではドラマ「ブラックペアン」など映像作品への出演が続いている。鬱が引き起こす過眠症に悩まされ自分自身がコントロールできない本作のヒロイン同様、狂気的な役など個性的なキャラクターを演じることが多い彼女。今回のインタビューでは本作の魅力に迫りながら、個性的な役のオファーが絶えない理由を探ってみた。

映画「生きてるだけで、愛。」は、他者とのつながりを求める若者の心情を描いたラブストーリー。主人公・寧子は鬱が引き起こす過眠症に悩まされて引きこもり気味。恋人・津奈木の部屋で同棲生活を送っていたが、津奈木の元恋人の安堂が現れる。安堂は津奈木とヨリを戻したいがために、寧子を自立させようと無理矢理カフェバーで働かせようとする。寧子を趣里が演じ、津奈木を若手実力派の菅田将暉が演じる。また、安堂を仲里依紗が演じ、数多くのMVを手がけてきた関根光才が初めて劇場長編映画の監督に挑戦した。

■ 「観客に嫌われるか嫌われないかのバランスはすごく考えました」

ー趣里さん自身が主人公・寧子を演じたいと強く希望されたと伺いました。その理由を教えてください。

最初に脚本が持つエネルギーに圧倒されました。読んでいると苦しくなるけれど、寧子はちゃんと前へ向かっているんですよね。彼女は迷っているし、辛いし、どうしようもない。でも、それを自分自身でわかっている。変わりたいのに変われない葛藤が私にはすごく理解できました。同時に寧子は生命力に溢れているし、ポジティブなエネルギーを持ち合わせている。私自身も心が揺れているときに、映画や舞台などにエネルギーをもらってきた人間なので、この作品なら自分がこれまでお芝居してきた意味を感じることができると思いました。

ー恋人の津奈木に支離滅裂なことを言うなど、寧子は観客に嫌われてもおかしくないキャラクターですが、趣里さんは観客に嫌われそうで嫌われない微妙なラインをうまく演じているように思えました。

序盤で嫌いになられてもおかしくないですよね(笑)少しエキセントリックな感じもありますし、寧子が嫌いな人はもちろんいると思います。

自分の中にも寧子の部分があったので、それを隠さずに演じることを意識しました。嫌われるか嫌われないかの微妙なバランスはすごく考えながら演じました。

ー鬱からくる過眠症に悩まされている寧子ですが、顔のむくみやイラッとした表情、物に八つ当たりするなど、鬱に悩まされている人のリアルさを感じました。当事者の方への取材などを行っていたんですか?

全くしていないんです。鬱って、どこからが鬱なのか曖昧ですよね。落ち込んでいるときや苦しいときに本人が『鬱だ』と言ってしまえばそれは鬱だと思うんです。寧子を演じるにあたり、脚本に描かれた彼女を頭に浮かべながら、自分の過去と向き合いながら役を作っていきました。

ー実際に鬱に悩まされている人たちからの声などはありましたか?

アンケートで『私も鬱で過眠症なので、寧子の気持ちが痛いほどわかります』という声をいただきました。私自身、寧子の気持ちがわかるし、何かのきっかけであんな風になると思います。誰しもがそういう部分がきっとあるはずだと感じています。

■ 「お互いがその場のやり取りを楽しむタイプ」菅田将暉との共演を振り返る

ー寧子の恋人・津奈木を演じた菅田さんですが、共演を振り返ってみてどうでしたか?

この作品で共演するまでに2回ぐらいしか会ったことがなかったんです。菅田君も言ってくれているんですが、空気感みたいなものが似てるんですよね。たまたま同じ場所にいたり、見ている角度が一緒だったりもしました。現場に入ってお芝居に関して「こうしよう」っていう相談は全くしませんでした。きっと私と同じで、その場のやり取りを楽しむタイプなんですよね。カットがかかったら「楽しかったね!」と言い合う感じでした。

ー同じ場所や見ている角度が一緒というところは、寧子と津奈木の関係性にも似ているような気がします。

お芝居していると自意識も働くしカメラも気になるんですけど、それ以上に菅田君とのやり取りを楽しめたという感覚が今でも残っています。

■ 寧子と違って「溜め込むタイプ」

ー普段は寧子みたいに感情をぶつける方ですか?

私は内に溜め込むタイプです。でも、身近な友達や家族には悩みを言うようにはしています。言える人に言えないと苦しくなりますよね。でも、自分が言ったことが100%伝わっていることはないけど、ちゃんと伝わっているか悩むこともあります。私、すごく心配性なんです。だから家ではウジウジしています(笑)

ー意外な一面ですね。

そうは見られないんです。ウジウジする面もあるし「まあいいや!」みたいなときもあります。両方の面があるから忙しいです(笑)

ー本作を通じて、趣里さん自身に変化などはありましたか?

なぜ自分が前に進めているのかを考えると、周りで支えてくれている人の存在が大きいと思います。仲里依紗さんが演じた安堂、寧子が働くカフェの人たち、もちろん津奈木も寧子を支えている。改めて『人は一人じゃ生きていけない』と感じました。

■ 個性的な役のオファーが続く理由とは?

ー本作の寧子もかなりインパクトが強いですが、趣里さんといえば個性的な役を演じることが多いですよね。強烈なキャラクターでも全身全霊で役に向き合っているように思えますが、撮影が終わっても役が抜けないなんてことは?

なぜか濃い役が多いんです。でも、役が抜けないことはないですね。その日の撮影が終わると自然にいつもの自分に戻ります。準備期間とか撮影中にその役のことをすごく考えるし、それが私が演じる意味だと思いますが、終わったら「ありがとう!」って感じで切り替えています。

ーそれだけ役にのめり込んでも終わればすんなり切り替えができる。それがオファーが続いている理由なのかもしれませんね。強烈な個性をもつ寧子を見事に演じきったこともあって、本作は趣里さんにとっても大きなターニングポイントになったのでは?

なぜお芝居を続けているのかを振り返ることができる作品になりました。この作品を通して、誰かの心に寄り添えたらいいなと強く思っていましたし、それができるような作品でした。『こんな子、嫌だな』とか『こんな風になりたくない』とか寧子を反面教師にしてもいいし、『寧子、頑張れ!』って応援するのもいい。観る人の心の状態によって捉え方が全然違う作品だと思うし、私自身がこの作品に出会えて救われたような気がしています。生きていて、いいんだって。

■映画「生きてるだけで、愛。」

梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹ほか全国公開中(関西ウォーカー・山根翼)

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