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連載第13回「大阪インバウンド最前線」なんばと世界をつなぐリンクコーポレーション牧 香代子さんにインタビュー

  • 2018年11月8日
  • Walkerplus

この連載は、大阪で激増するインバウンド(訪日外国人観光客)の最前線を人気施設や旅行・観光に詳しい業界関係者などキーパーソンに話を伺うインタビュー企画。第13回は有限会社リンクコーポレーション代表取締役の牧 香代子さんに、大阪のインバウンドの現状や、インバウンドが増えて変わったこと、今後の展望などを聞いた。

■ 大阪のインバウンドの現状は?

――まず、リンクコーポレーションさんはどんな仕事をされているのでしょうか?

デザインと広告の企画がメインです。うらなんばエリアで13年前から飲食店も経営しており、うらなんばの地図もうちの会社で作り続けています。今はインバウンドの仕事が多いですね。私は中国の大学を卒業しているので、日本人で中国語を話せるのが珍しくて、「日本橋のでんでんタウンで中国語の地図を作ってほしい」というところから、インバウンドの仕事が始まりました。でも、当時はそんなに需要がなかったんです。それが、7~8年前ぐらい前から、ちらほら問い合わせが増えてきました。

――インバウンドの仕事というのは具体的にはどのようなことをされるのですか?

企業のコンサルです。年間で経営して、社員の方に向けて「外国人に対してどういう対応をしたらいいか」などをレクチャーさせていただいています。商業施設での接客や、飲食店のメニュー対応、さらに、どうしたら外国人の方に来ていただけるか、というのを指導させていただくのが私の仕事です。

――問い合わせも多いですか。

それは凄いですよ。インバウンドに特化している方がずっといなかったのですが、うちはここ10年くらいインバウンドに特化してやってきていたので、なぜかしらうちに全部、問い合わせがくることになりました。飲食店の方も多く「どういうアプローチをしたらいいのか」や、逆に「外国人が来すぎて困っている」という人もいらっしゃいます。トラブルを回避する方法も含めて、問い合わせは増えていますね。

――インバウンド向けの仕事をしようと思ったのは、うらなんばで店を出していたからですか?

きっかけは商店街がインバウンドを誘致しはじめたんですよ。天王寺にはあべのハルカスができて、梅田にグランフロント大阪ができて、なんばはどないなるねん」という時期があったんです。その時に、なんばのメンバーが一丸となって、外国人観光客を集客しようという動きが出てきたんです。うらなんばに店があることもそうですが、私が、中国、韓国、英語、日本語の4か国語が話せることもあり、常に一緒に行動してきたので、外国人観光客をここまで作りあげてきたという風に言われているんです。2008年のことですね。

――その頃は、外国人の方は今ほど多くはないですよね。

全然ですね。2008年は外国人観光客が日本全体でも500万人ちょっとですからね。大阪に何人来ているかと言ったら、ほぼ皆無に等しいです。日本に住んでいる方や、在日の方、華僑の方など、アジアの人はちらほらといましたが、観光目的ではほとんどが京都に行かれていたので、大阪に来る方はほとんどなかった状態ですよね。

――今のような状況になったのには、何かきっかけがあったと思いますか?

ビザの緩和やLCCの就航、政府の協力といった大きな枠のインフラというのは絶対的な要因だとは思います。だけど、それだけの要因を作っても、コンテンツがおもしろくなければ、「もう一度来よう」というリピートにはつながらなかったと思うので、コンテンツはひとつの大きな要因だったと思います。その要因のなかの一つが飲食です。もちろん、Wi-Fiやカード決済、今だとモバイル決済などもそうですけど、そういったインフラをミナミはいち早く取り入れたのも大きいです。

――海外の方は飲食含めて、どういうところがよいと思われているんでしょうかね。

何を食べてもおいしいでしょ。そして安くて活気がある。24時間営業している店がミナミには沢山あります。例えば焼肉店でもそうですし、ラーメン店でもそう、磯丸水産さんみたいな居酒屋チェーンも24時間。これを京都などの同じように人が集まっている場所で見つけられるかといえば、ほとんどないですよね。ミナミだったらお腹いっぱいになったあとに、買い物に行こうとなってもドン・キホーテが24時間開いていたり、夜も朝も昼も全部楽しめるというのが魅力的だと思いますね。

■ 一日でまわれるローカルな場所が人気! 中国と韓国で異なる日本の楽しみ方

――中国の方と韓国の方では楽しみ方は異なりますか?

中国の方は買い物が多いですが、韓国の方は完全に食です。韓国の方はそんなに高級なものを食べに来ているわけではなく、日本人と変わらないようなものを好まれる方が多いです。特に人気なのは、肉関係。牛カツとか、「あじと」の肉重とかですね。SNSの力が凄くて、「こんなところよく知っているなあ」というところまで拡散されています。うらなんばでも、昔は外国人観光客が溢れていたわけではないのですが、いつの間にか増えていて、飲食店さんも「来てくれた人にいいものをちゃんと提供したい」という人も出てきています。

――飲食以外で、人気のものや場所はありますか?

道頓堀が断トツですね。飲食も買い物も1日でどこでも行けるということで人気です。あとちょっとだけ、ローカルなところも増えてきているみたいですね。例えば、私たちがあえて行かないところ、天満橋の大阪くらしの今昔館とか。

――そういうのはやっぱり、SNSを見て行かれるんですかね?

SNSももちろんそうですし、友達同士の口コミも大きな理由になっていると思います。

――ほかにも、外国人が増えそうなエリアはありますか?

今後、新今宮エリアが増えてくると思います。2022年に星野リゾートがホテルを建てるだけでなく、2019年にはゲストハウスができるのですが、そこが、外国人のハローワークみたいになるそうです。これは、外国籍を持っている人たちが、ちょっと大阪で働きたいなと思ったら、そこでマッチングをして、その日に上のゲストハウスで泊まるというプランがすでにできあがっているんです。なので、私は新今宮に外国人が増えてくるのではないかなと思っています。

■ 「おもろいな大阪!」と思ってもらえるように

――ますます増える外国人に向けて、リンクコ―ポレーションでは、今後はどのようなことを考えていますか?

いま「大阪学習帳」という、外国人観光客に大阪弁を勉強してもらおうという帳面を作っています。塗り絵も開発しています。100均で見つけた街の景色の塗り絵なんですけど、「ニューヨーク、パリ、東京」の塗り絵はあるのに、なんばがないんです。だから、これをなんばで作れないかなと思って。全部許諾をとって黒門市場とか道具屋筋とか飲食店も含めて固有名詞を入れた塗り絵を作ったら面白いと。例えば、レストランで食事をした時に、この塗り絵を子どもに渡してあげたら、子どもの時からなんばを覚えてもらえる。そういうものを作り続けると「おもろいな大阪!」ってならへんかなと思って。そして最終的には、「ニューヨーク、パリ、なんば」っていうくらい、ブランド価値を上げたいと本気で思っているんですよ!

※本企画は、情報誌「関西ウォーカー」2018年8/28発売号の大阪インバウンド特集「YOUは何しに大阪へ?」との連動企画です。(関西ウォーカー・横井哲也)

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