
もっと大泣きするだろうと思ったのに、死を受け入れられず泣けなかった… / 画像提供:チャン・メイ(@masondixon402)
母からの連絡は、愛犬「たろう」の死だった。「今日の夕方にはお別れです」と書かれた文面を見て、急いで実家に帰る。そこには静かに息を引き取った「たろう」が眠っていた。姿を見たら、大号泣すると思っていたのに…?今回は、チャン・メイ(@masondixon402)さんの実話「今日の夕方にはお別れです。」を紹介するとともに制作の経緯など話を聞く。
■数年後にふと「描きたいな」と思うようになった
【漫画】愛犬が死んだ⁉「今日の夕方にはお別れです。」01 / 画像提供:チャン・メイ(@masondixon402)
「今日の夕方にはお別れです。」02 / 画像提供:チャン・メイ(@masondixon402)
「今日の夕方にはお別れです。」03 / 画像提供:チャン・メイ(@masondixon402)
作者のチャン・メイさんは、弁慶という名前のフレンチブルドックを飼っていたそうだ。名前とは裏腹に内弁慶な性格で散歩が嫌いだったため、家の中で家族の帰りをじっと待ち、「家族が帰ってくると玄関で大喜びしているのが一番かわいかったです」と、飼い犬の思い出を聞かせてくれた。
その飼い犬が亡くなったのがきっかけで、チャン・メイさんは犬の話を描こうと思ったそう。しかし、正確には亡くなってすぐに描き始めたわけではなく、数年後にふと「描きたいな」と思うようになったという。「寂しい気持ちが落ち着いたときだったのかもしれないです」と、当時を振り返る。
本作では、感情が動くのは出来事を目の当たりにした瞬間ではなく、「日常の何気ない瞬間に『ぶわーっと感情が入り込んでくるような』そんな感情の動き方を描ければ、すごくリアルで生々しい表現になるだろうなと思って描きました」と、制作するうえで、こだわったところを教えてくれた。
大切な存在を失うことはこの上なく悲しいが、誰にでも訪れる避けられない出来事でもあるため、「どうにかその悲しさと向き合う必要がある」と、チャン・メイさんは話す。さらに、「『日にち薬』という言葉がありますが、ただただ悲しい気持ちに浸って月日が経つのを待つのは、なんというか…とっても孤独じゃないですか。そんなとき、見たもの聞いたもの読んだものが、薬とは言えなくても栄養となって回復を助けてくれることもあると思うんですよね。Xを通して、私の漫画がどこかの誰かの助けになっていればうれしいなと思います」と語った。
取材協力:チャン・メイ(@masondixon402)
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