
お守りが持ち主の不安を可視化する? / 画像提供:かんさび(@kansabi_kk)
よくないことが起きると「お守り」や「数珠」を身につける。その度に増えていくせいで、バッグにお守りの類がたくさん。しかし、それは本当にお守りなのだろうか?「お守りは、持ち主の前向きな姿勢があって初めて効果がある」という話を描いた、かんさび(@kansabi_kk)さんの「子狐の根付の話」に4.1万いいねがついている(2025年2月4日時点)。
■民俗学や伝統をヒントに描く不思議なお話たち
【漫画】子狐の根付の話を読む / 画像提供:かんさび(@kansabi_kk)
子狐の根付の話(2) / 画像提供:かんさび(@kansabi_kk)
子狐の根付の話(3) / 画像提供:かんさび(@kansabi_kk)
かんさびさんは、自身の「物書きの不思議な話」シリーズの1つとして本作を描いた。たくさんのお守りを身につけることが実は不安の証であるという視点から、お守りの持つ本当の力について問いかける内容だ。
かんさびさんは、昔勤めていた天然石屋さんで、何か悪いことが起きるたびにお守りを買いに来る客たちの姿を目の当たりにし、「それって悪いことを逆に忘れないんじゃないかな」と思ったことが、この作品が生まれるきっかけになったと語る。
しかし、不思議な話をたくさん描いているが、かんさびさん自身に霊感はないし、不思議な体験というのもほとんどしたことがないという。体験がないからこそ不思議な世界に惹かれるのかもしれないと語った。かんさびさんが興味があって調べている民俗学や伝統などからヒントを得て描いているという。
さらにかんさびさんは、お守りは、「持つ人がどのような姿勢でお守りを持つかによって影響力が違ってくると思います」と話す。単にお守りを持っているだけで神様が助けてくれるというようなものではなく、「持つことによって自分が乗り越えたいものを意識できる戒めのようなものだと思っています」と語る。
また、今はこの物書きの不思議な話だけに集中して制作しているそう。体験談ではなく完全な創作ながら、実際にあったであろう現実を思わせるリアルなエピソードを取り入れている点が、怖くないけどたまにちょっと怖いこの作品の魅力である。
取材協力:かんさび(@kansabi_kk)