
【漫画】デリカシーのない「夕子」ってどんな女性? / 画像提供:宮子玲子(@015_3625)
大学の友達・夕子が、元カレと付き合い始めた。夕子は「私は恋愛したことないからいい機会」「今は別れて友達なんでしょ?」とデリカシーのないことを言う彼女の態度にイラつきながらも、“私”は友達でいる――。そんな複雑な友情を描いた、宮子玲子(@015_3625)さんの「フローティング・夕子」を紹介するとともに、制作の経緯を聞いた。
■デリカシーのなさは苦手でも友情が成り立つのか?
フローティング・夕子01 / 画像提供:宮子玲子(@015_3625)
フローティング・夕子02 / 画像提供:宮子玲子(@015_3625)
フローティング・夕子03 / 画像提供:宮子玲子(@015_3625)
周囲から浮いている青峰夕子と、その親友・若葉を描いた作品で夕子を中心とした関係性が反響を呼ぶ本作。唯一の友達である若葉も夕子のことは嫌いではないが、デリカシーのない発言は苦手。例えば、夕子の彼氏は、以前は若葉と付き合っていた。その3人でお昼に行こうと誘ったりするのだ。夕子はまったく2人の気まずい気持ちに気付かない。
作者の宮子玲子さんは、本作のタイトルについて「周りから浮いている人」がテーマだったので、「浮いている=フローティング」を採用したという。
夕子の独特なキャラクターは、過去の同僚がモデル。「その人もやはり、独特な話し方や振る舞いで周りから少し浮いていましたが、仕事熱心な人で、言いにくいこともはっきり言ってくれるので、信頼していました」とその人物をヒントに、漫画っぽくわかりやすいキャラクターにしたと誕生秘話を明かしてくれた。
漫画で表現したいことは、友情の難しさと大切さ。宮子さんは「私は、どんな人に対しても心からわかり合える部分とわかり合えない部分の両方があると思っています。『相手のすべてが好き』というのは難しくても、相手にうれしいことがあれば一緒に喜んだり、友情を育むことはできると思います」と、複雑ながらもお互いを認め合える関係を描きたかったそう。
本作の反響については、「わかりやすくキャラクターが描けたな」とは思っていても、反響の大きさに驚いているようで「いまだにインタビューのお声がけなどをいただけて、ありがたいかぎりです」と語った。
デリカシーのなさにイラつきながらも、いつも真っすぐな夕子に憧れの気持ちも抱いている若葉。多くの共感を呼ぶ理由は、一度読めばわかるはず。
取材協力:宮子玲子(@015_3625)