
弁護士の著者が「袴田事件」について解説 / 画像提供:弁護士のたぬじろう
弁護士のたぬじろう(@B_Tanujiro)さんはX(旧Twitter) を中心に弁護士にまつわる漫画を公開している。執行猶予や財産分与などについてリアル&コミカルに描き、2024年5月にはXで「袴田事件について」の4コマ漫画を投稿して注目を集めた。袴田事件は1966年に起きた一家4人が殺害された事件だが、冤罪の可能性があるとされている事件。本作を描いたきっかけや当時の警察の取り調べ、冤罪などについて、弁護士のたぬじろう(@B_Tanujiro)さんにインタビューした。
■「袴田事件」をわかりやすく4コマ漫画で伝える
警察や検察、冤罪の一般的な認識は危ない!? / 袴田事件について1 / 画像提供:弁護士のたぬじろう
1966年に起きた袴田事件を説明 / 袴田事件について2 / 画像提供:弁護士のたぬじろう
恐ろしかった当時の警察の取り調べ / 袴田事件について3 / 画像提供:弁護士のたぬじろう
弁護士のたぬじろうさんは、弁護士の視点で身近に起こりそうな出来事を4コマ漫画で分かりやすく描いている。漫画を描くようになったきっかけについて「SNSで気軽に漫画を描いている人も増え、自分もいつか漫画を描いてみたいなと思っていました。また、弁護士の魅力を高校生や大学生にも知ってもらい、弁護士を目指す人が増えればいいなとも思っていました。そんななかで、尊敬する先輩弁護士に背中を押してもらって、SNS投稿を始めました」と話す。
本作を描いた理由について「検察官が再審で死刑を求刑したとのニュースを観て、描かねばと思いました。冤罪の可能性が極めて高い本件で、死刑求刑を維持することが適切なのか疑問です。漫画にすることで、普段ニュースなどを見ない人にも本件事件(の理不尽さ)が伝わればと思い、この漫画を描きました」と語る。当時の警察の取り調べについても「『自分(警察)がしていることは正しいことだ』『認めないなんて許せない』という気持ちで取り調べを行ったのではないかと思います」と問題点を指摘する。
冤罪をどう考えるか聞くと「冤罪は絶対に防がなければなりません。皆さん冤罪はどこか遠い世界の話、自分には起こり得ないこと、と思っているかもしれません。しかし、皆さんの身にも十分起こり得ることなのです。自分や家族の身に起きてしまったら、と想像してみることが必要だと思います」と語気を強める。たぬじろうさんは「クスッと笑えてタメになるをモットーに、平日の夜に漫画を更新しています」とのこと。法律について興味がある人は、ぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:弁護士のたぬじろう(@B_Tanujiro)