凛々しく美しい魚たちが間近で見られる「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」開催中!企画背景には“絶滅危惧種”保全も

  • 2025年2月10日
  • Walkerplus

岐阜県各務原市の世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」で、企画展「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」が開催中。その企画背景には、絶滅危惧種への取り組みがあるということで、担当者に話を聞いた。
国内で最初に認定された希少種保全水族館「アクア・トト ぎふ」で、「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」が開催中
国内で最初に認定された希少種保全水族館「アクア・トト ぎふ」で、「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」が開催中


■企画実施の背景には「豊かな生態系への取り組み」
今回の企画展実施の背景について、担当者は「環境省の最新(2020年公表)のレッドリストでは、評価対象とした約400種の汽水・淡水魚のうち169種を絶滅のおそれのある種(絶滅危惧種)としています。自然を回復させるためにその絶滅を防ぎ、生態系が豊かになるような経済活動へ切り替えていく『ネイチャーポジティブ』という国際的な目標に向かって、世界が動きはじめています」と話す。

なかでもタナゴの仲間は、環境省のレッドリストで16種類のうち13種類が絶滅危惧種に、そのうち8種類は絶滅危惧ⅠA類と評価されているそう。今回の企画展では、東海地方のタナゴを幅2.7メートルの大型水槽で展示するほか、東北から九州地方まで各地に生息するタナゴの仲間がそろい、これらについて担当者は「保全活動に取り組んでいる各地の水族館などのご協力により、展示が実現しました」と語る。
【写真】在来のタナゴの仲間、全16種類を展示!
【写真】在来のタナゴの仲間、全16種類を展示!


ほかにも、高知県土佐湾や宮崎県沿岸などに生息する「アカメ」や、埼玉県の源流で命をつなぐ「ムサシトミヨ」、琉球列島のみに分布する美ら島の神秘のドジョウ「ヒョウモンドジョウ」など、いろいろな場所でくらす汽水・淡水魚たちも紹介している。
企画展では、いろいろな場所でくらす汽水・淡水魚たちを紹介
企画展では、いろいろな場所でくらす汽水・淡水魚たちを紹介


「アクア・トト ぎふ」では、国が進める保護増殖事業のうち「イタセンパラ」の生息域外保全を担っており、計画的に繁殖させ、健全な飼育集団を維持しているそうで、今回の企画展では同館で繁殖・維持している種についても解説付きで展示している。
「アクア・トト ぎふ」の環境保全への取り組みも紹介されている
「アクア・トト ぎふ」の環境保全への取り組みも紹介されている


同水族館では2024年からは水辺の清掃活動にも取り組み、木曽川を中心に学生や民間企業とも協同して活動を行っているそうで、企画展がそういった活動を広く知ってもらえる場にもなりそうだ。

■「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」開催概要
期間:2025年4月13日(日)まで
場所:世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ(岐阜県各務原市川島笠田町1453)
料金:入館料(大人1780円、中学生・高校生1400円、小学生900円、3歳以上500円)のみ

今回の企画について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の企画の狙いは?
今回の企画展では淡水魚がおかれている危機的状況を例に紹介し、人が暮らすうえで生物多様性の回復と健全な維持がとても重要であるということを広くお伝えしたいと考えています。

ーー今回の企画のイチオシは?
希少な日本産淡水魚の代表といえるタナゴの仲間を全16種類展示しています。この多くが環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧種として掲載されていますので、今後の生息環境次第ではさらに数が減り、今以上に見ることが難しくなるかもしれません。天然記念物2種・国内希少動植物種4種を含む日本のタナゴ全16種類が一度に見られる施設はありませんので、この機会にぜひご覧いただきたいです。

ーー読者(ユーザー)へのメッセージは?
タナゴの仲間のほかにも、希少なドジョウの仲間や巨大なアカメも展示しています。美しくて凛々しい、そしてはかなくもたくましい淡水魚の魅力を感じ、大切に思っていただければうれしいです。

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