
ラブライブ!シリーズのミュージカル『スクールアイドルミュージカル』に出演する西葉瑞希
ラブライブ!シリーズのミュージカル『スクールアイドルミュージカル』が2025年2月9日(日)~19日(水)東京・日本青年館ホール、4月4日(金)~6日(日)大阪・新歌舞伎座にて上演される。大阪の人気有名高校・滝桜女学院の理事長の娘である滝沢アンズ(Wキャスト・大阪公演)と、滝桜女学院芸能コースアイドル部の部長・若槻ミスズを演じる西葉(さいば)瑞希さんに役柄についてお話を伺った。
【写真】ラブライブ!シリーズのミュージカル『スクールアイドルミュージカル』に出演する西葉瑞希が意気込みを語った
■「若槻ミスズは初演から演じてきたので、今回は滝沢アンズを新たに開拓する感じです」
――このミュージカルに出演が決まったとき、どんな気持ちでしたか?
今回、滝沢アンズと若槻ミスズという二役を演じることになり、本当に挑戦だと思っています。1つの作品で二役を同時に演じるのは初めての経験です。片方の役で少し出るのではなく、どちらもしっかりと出演します。お話をいただいたとき、「レ・ミゼラブルのジャべールとジャン・バルジャンを同じ人がやっていますみたいなことをするけどいい?」と聞かれて、二役を演じるのはちょっとかっこいいかもしれないと思ってしまって(笑)。若槻ミスズは初演から演じてきたので、今回は滝沢アンズを開拓するという感じです。
最初、滝沢アンズをやってみるというお話を受けたときは少し迷いましたが、ずっと若槻ミスズを演じてきたので、アンズと一緒にいることが多いミスズとしての視点を持って、私なりのアンズができるのではないかと思いました。今は稽古を前にして少し緊張していますが、二役を演じると決まったときはうれしかったです。
――今回台本を手にしたとき、どんな気持ちでしたか?
ミスズとアンズの会話があるシーンでは、稽古中も間違えてミスズのセリフを言いそうになります。二役を演じるのは未知の体験ですが、ひとり芝居のように感じられるかもしれません。他の役のセリフを覚えることで、違った解釈ができると思うので、今回の作品をとても楽しみにしています。
――演じる役柄に共通点や相違点はありますか。どんな風に演じたいと思っていますか? また、役の切り替えポイントも教えてください。
ミスズは実力主義で、みんなで力をつけて頑張っていこうという考え方を持っています。私もアイドル(きゅい〜ん‘ズ)時代に、グループの力を高めるためには1人ひとりが力をつけるべきだという考え方をしていたので、共感できる部分が多いです。
一方、アンズは初演から関根優那ちゃんが演じてきた役で、私とはかなり異なるキャラクターだと思います。アンズは圧倒的センターでありながら、人当たりがよく、謙虚で思いやりがあり、まさに聖人のようなイメージです。私はそこまで人間ができていないと思います(笑)ので、私らしさが出てしまうかもしれませんが、皆さんに愛されるような役作りをしていきたいです。
――自分と違う役柄を演じることは楽しいですか?
2.5次元舞台にも出演しているので、普段の自分とは異なる役を演じることが楽しいです。自分と離れている性格の役でも楽しんで乗りこなしていけたらなって思います。
――役柄に憑依するタイプですか?
本当に舞台上に立つまでスイッチが入らなくて、この袖と舞台上の境が肝みたいなところがあります。本当に良くないんですけど、舞台裏でヘラヘラしているみたいな感じなんですけど、お客様の力に助けられてるというか、舞台上からお客さんの顔を見て“すっと”その役になるみたいな感じの感覚かもしれないです。
「今回、滝沢アンズと若槻ミスズという二役を演じることになり、本当に挑戦だと思っています」
■「これまでも映像に残ってない作品ですので生で観てほしい」
――観客にここを見てほしいというポイントは?
二役をしっかり演じるところを観てほしいです。東京と大阪ではキャストが異なるので、できればどちらも観ていただきたいです。これまでも映像に残っていない作品なので、どの公演も生で観ていただけるとうれしいです。高校生らしさみたいなのをなるべく表現できるように意識していて、ミスズの視点で観ていただいてもいいぐらいに自分の中でけっこう作ってやってるので、そういう部分を観ていただきたいなと思います。アンズは初挑戦なので、まだどこが見どころになるかはわかりませんが、私なりのアンズを演じるので、楽しみにしていてください。
――女子高生役についてどう感じますか?
女の子だけの作品に出演することが多く、どの作品も雰囲気がけっこう女子高っぽくて、そのままって感じで、もしかして成長してないみたいな(笑)。みんなでワチャワチャやるこのテンション感とかもう、今回のキャストでどうなるかまだちょっとわかんないですけど、みんなで気持ちを盛り上げていければと思っています。
――この舞台に出演することで、自分に変化はありそうですか?
二役を演じることで自分に変化があるかもしれません。初演メンバーは少なくなってきていますが、やっぱり今回の舞台を支えるのは私たち初演のメンバーだと思っています。年齢的にも、今回の舞台が終わったあと、少し「お姉さん」になっているかもしれません。今まで後輩キャラでやってきて人をサポートすることをあんまりしてこなかったんですけど、今回はそういうことも自分から少しでもやっていけるようにしたら、少し西葉瑞希的にはお姉さんになれるんじゃないかなって。今まで年下のキャストも全然いなかったんですけど、今回は年下のキャストもいるので、そういう個人的な挑戦もしてみたいなと思ってます。
「ミスズとしての視点を持って、私なりのアンズができるのではないかと思いました」
――話は変わりますが、台詞はどのように覚えていますか?
未だに試行錯誤してて、基本的には家でひたすら読んで覚えるタイプです。台本をしっかり覚えたら自分にご褒美を与える、というルールを決め、そのご褒美のために頑張って覚えている感じです(笑)。セリフ量が多いときは、相手のセリフを録音して、自分の言うところだけ開けて、それを聞いて自分で言っていく。セリフ量が多いときはもう寝ながらも多分言ってたと思うんですけど、夢の中でも出てくるんです。夢の中で、セリフは何だっけって思って、起きて確認したりするんです。お風呂に入っているときに言えるようになったら完璧みたいな感じで、お客様には見せられないぐらい本当に地道にがんばって覚えています。
――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
新たなキャストも加わり、私はミスズとアンズという役を一生懸命演じていきたいと思います。アンズは初演なので、コツコツ稽古で私なりのアンズを見つけていきたいなと思っております。皆さんの明日を元気に生きるための活力になるような作品だと思っていますので、ぜひ劇場に足を運んでいただければうれしいです。お待ちしています。
撮影・取材・文=野木原晃一