
角野栄子さんが手がけた児童文学作品で1985年に刊行された「魔女の宅急便」。2025年の今年、刊行から40周年になることを記念して、文庫版全6巻の表紙をリニューアルする。またそれと同時に文庫版第1巻には、漫画作品「SPY×FAMILY」などで知られる漫画家の遠藤達哉さんが描き下ろした特別カバーを付けて、期間限定で発売する。さらに、同シリーズを購入した人を対象にプレゼントが抽選で当たる記念キャンペーンを2025年2月3日(月)から4月30日(水)まで実施する。刊行40周年を記念したリニューアルやキャンペーンについて、担当者に聞いてみた。
【写真】遠藤達哉さんが描き下ろした40周年特別カバー表紙がかわいい!
――プレゼントが抽選で当たる40周年記念キャンペーンに関して、意図や狙い、ターゲットについて教えてください。
キャンペーンについては40周年のお祝いとして、これまでシリーズを支えてくださった読者の皆さまはもちろん、これまで読んだことがなかった子どもたちまで、幅広い方たちに作品とその周年を楽しんでいただければと思い実施することといたしました。
――「魔女の宅急便」の刊行40周年にあたっての想いについて教えてください。
40年の長い間、シリーズの刊行を続けてこられたのは、ひとえに読者の皆さまのおかげです。角野栄子さんが生み出したキキとジジの物語は、どの時代においても読者の方たちの心に残る魅力で満ちています。これからも多くの子どもたちへ届けられるよう、出版社として努めていきたいと思っております。
――文庫版全6巻の表紙のリニューアルや遠藤達哉さんが描き下ろした特別カバーに関して、こだわりの点について教えてください。
文庫版全6巻については、これまでオリジナルの単行本に準じたデザインでしたが、今回イラストはそのままに色味や配色を変更し、よりいろどり鮮やかで楽しいデザインになりました。背表紙にはジジのイラストが配されて、キキとともに、ジジも成長しているのを感じていただけます。
遠藤さんの描き下ろしカバーについては、制作を依頼するにあたって角野さんからは「遠藤さんにぜひ自由に描いていただきたい」というお言葉をいただき、基本的には遠藤さんにお任せする形となりました。とても楽しげで子どもたちから大人の方まで、多くの人を魅了する躍動感溢れるキキを描いていただけたと思っております。
文庫版全6巻のリニューアルも、遠藤さんのカバーも、いずれも完成までは印刷時の色の出方やフォントの種類・配置等々、角野さんと遠藤さんに都度ご相談しながら何度も試行錯誤を重ねて制作いたしました。
――1985年に刊行され、今年40周年を迎えた本書ですが、今後の展望について教えてください。
「魔女の宅急便」シリーズは、どの時代にも人々の胸に残るような魅力ある作品であると思います。そのため出版社としては、これからも多くの読者の方にお届けできるよう、さまざまな取り組みを続けていきたいと考えております。また作者の角野栄子さんは2025年1月1日で90歳になられた今も元気にご活躍中です。現時点で具体的に決まっていることはありませんが、今後も何か新しい展開があるかもしれませんね。
――読者へのメッセージをお願いします。
「魔女の宅急便」を40年という長い間ご愛読いただいた読者の皆さまに心から感謝申し上げます。読者カードで感想を送ってくださる方も多く、そういった読者の方々の声は、我々にとっても常に励みになっています。「魔女の宅急便」シリーズは、お話そのものはもちろん、キキという少女の生き方、登場人物たちの会話の中にある、ふとした言葉の一つひとつにまで、さまざまな魅力が溢れています。まだ読んだことがない方も、読んだことのある方も、ぜひこの記念すべき年に作品の世界を楽しんでくだされば幸いです。また、作者の角野栄子さんが館長を務める江戸川区葛西の「魔法の文学館」でも、さまざまな40周年記念企画が予定されていますので、そちらもぜひチェックしてみてください。きっとより深く、「魔女の宅急便」の世界を楽しんでいただけるはずです。
■■角野栄子さんのコメント
角野栄子さん / 撮影 萩庭桂太/©⾓野栄⼦オフィス
1985年、「魔女の宅急便」の第1巻が出てから40年、長い間多くの方に愛され、本当に幸せです。キキと一緒に、あっ、ジジも一緒にね、深く、深く感謝を申し上げます。ありがとう!
この40周年記念の年に、人気の漫画家、遠藤達哉さんが文庫のカバーに絵を描いてくださいました。夜空を飛ぶキキ!元気みなぎるキキをお楽しみください。
すてきなプレゼントが当たるキャンペーンもありますよ。
■■遠藤達哉さんのコメント
遠藤達哉さん / ©︎Tatsuya Endo
「魔女の宅急便」40周年おめでとうございます!
イラストを描くにあたり中学生ぶりに作品を読み返したのですが、あのころには気づけなかった優しさや温かさがたくさんたくさん詰まっていて、思わず涙が出ました。こんなにすてきで、長く愛され続けている作品に携わることができて、本当に光栄で、うれしい限りです。
角野栄子さま、福音館書店さま、すてきな機会をくださり誠にありがとうございました。
■■「魔女の宅急便」刊行40周年記念キャンペーン概要
●対象商品
・単行本「魔女の宅急便シリーズ」全9冊(オリジナルシリーズ6巻+特別編3冊)
単行本「魔女の宅急便シリーズ」全9冊
・文庫版「魔女の宅急便シリーズ」全6冊
リニューアル版文庫全6巻
※対象は福音館書店の刊行する「魔女の宅急便シリーズ」で、株式会社KADOKAWAの刊行する「新装版 魔女の宅急便」(全6冊)は含まない。
●応募方法
福音館書店の刊行する「魔女の宅急便シリーズ」を2冊以上購入のうえ、購入時のレシート画像を専用ページからアップロードして応募。
●応募期間
2025年2月3日(月) ~ 4月30日(水)
(応募対象となるレシートも同期間のものになる)
●賞品
・A賞:角野栄子サイン入り「キキとジジ 魔女の宅急便 特別編その2」(10人)
角野栄子サイン入り「キキとジジ 魔女の宅急便 特別編その2」
・B賞:オリジナルノート 2冊セット(A5サイズ)(40人)
オリジナルノート 2冊セット(A5サイズ)
※シリーズの3巻以降の挿絵を手がけた佐竹美保さんのイラストを配したオリジナルノートセット。
※デザインは変更になる場合がある。
・C賞:特製クリアファイル(100人)
特製クリアファイル
※遠藤達哉さんによる40周年特別カバーのイラストを配したクリアファイル。
※デザインは変更になる場合がある。
■■「魔法の文学館」(正式名称:江戸川区角野栄子児童文学館)について
「魔法の文学館」
魔法の文学館は、「魔女の宅急便」の作者として知られる江戸川区ゆかりの児童文学作家・角野栄子さんの作品と功績を多くの人に知ってもらうとともに、未来を担う子どもたちが児童文学に親しみ、豊かな想像力を育む場となることを目指した児童文学館。なぎさ公園の丘に建つ純白の建物の中には、「魔女の宅急便」の舞台「コリコの町」をイメージした、いちご色の世界が広がり子どもたちは自由に本を選び、館内の好きな場所や緑豊かな公園で、お気に入りの本を読むことができる。
本書は13歳の満月の夜に、ひとり立ちの旅に出た魔女の少女キキが、相棒の黒猫ジジや周囲の人々と織り成す出会いと成長の物語だ。これまで読んだことがない初めての人も、久しぶりの人も、ぜひこの40周年という記念の年に楽しんでほしい。リニューアルしたカバーや特別カバー、キャンペーンなどさまざまな企画が目白押しだ。
文=久米碧
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。