
水のペットボトルに入っていたのは文字通りの「液体猫」!?自販機から出てきた猫との日々が愛おしい / 作:林場琉賀
いつの頃からか、猫の特徴を表す言葉として使われるようになったフレーズ「猫は液体」。その体のやわらかさでどんなところにも滑り込む姿はまさしく液体のようだが、文字通り「液体の猫」が存在したら――!?
林場琉賀(@hayashiba8848)さんの創作漫画「自販機で水を買ったら猫が出てきた話」は、女の子が自動販売機でペットボトルを買ったら、その中身が液体状の猫だったというところからはじまるシリーズ作品だ。やわらかいを通り越して不定形に体を変化させるその姿に、友人からは「絶対猫じゃないと思うんだけど」とツッコまれる謎だらけの「水猫」。けれど、主人公の女の子は「猫だよ~」と喜び、不思議な猫を飼い始めてからの日常を描いている。
ウォーカープラスでは作者の林場さんに、同作のアイデアや作品制作で意識しているポイントについて話を訊いた。
■何よりも「気負わず軽く読めるように」を意識して制作した
自販機で水を買ったら猫が出てきた #1(01) / 作:林場琉賀
自販機で水を買ったら猫が出てきた #1(02) / 作:林場琉賀
自販機で水を買ったら猫が出てきた #1(03) / 作:林場琉賀
作者の林場琉賀さんは、本作の着想は「もちろん、『猫は液体』という言葉です」と話す。本当に液体の猫が存在したらおもしろいのではないかと思ったのが、すべての始まりだという。また、「この作品での水猫ちゃんは猫なのか液体なのかわざと定めていません」と教えてくれた。
水猫のキャラクターは、林場さんが好きなぷくぷくした顔で足の短いマンチカンが影響しているそうで、「描く猫は餅みたいなフォルムが多めです」と話す。当時は「マスコットみたいだな」と思い、2021年頃に「恐怖?呪いのマスコット人形」という猫が登場する作品を制作したという。「そのマスコット猫の雰囲気を、水猫ちゃんは受け継いでいる感じだと思います」と明かしてくれた。
林場さんのお気に入りのシーンは、水猫があり得ないくらい伸びているシーンだと教えくれた。たまにSNSで誇張を超えた猫の写真を見ると、「やっぱ猫は液体なんだなぁ」と思ってしまうという。
本作は最初SNS用に制作され、何よりも「気負わず軽く読めるように」を意識して制作したそうだ。特にキャラビジュアルでは、水猫がキュルキュルした顔ではない分、飼い主の女の子をかわいく描いて差をつけてキャラクターを立たせることを意識したという。これにより、「どちらも別々の違ったかわいさがあっていいコンビになったのではないかと思っています」と語った。ほっこりしたい人はぜひ読んでみてほしい作品だ。
取材協力:林場琉賀(@hayashiba8848)