
動物、お金、食文化などさまざまなモチーフを題材に、シリアスとギャグを詰め込んだ4コマ漫画を描くのは、漫画家・イラストレーターとして活躍する雪のヤドカリ(@yukinohotel)さん。意味がわかるとおもしろい、じわじわ笑えてくる「癖になる文学的なオチ」を味わってみてください。
今回は、交際相手の部屋で見つけた見知らぬ髪の毛の正体など、「ホラー」をモチーフにした4コマ漫画をご紹介します。
9話「無茶なクレーム」4-1 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「無茶なクレーム」4-2 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「無茶なクレーム」4-3 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「無茶なクレーム」4-4 / 漫画=雪のヤドカリ
――今回の話は、どういったタイミングで着想を得たのでしょうか?
雪のヤドカリさん(以下、雪のヤドカリ):恥ずかしながら、自分が過去に経験した修羅場をモチーフにしています。
当時の交際相手の部屋で金色の毛がたくさん落ちているのを見つけ、自分は黒髪だったので「これはなんだ!」と問いただしたんです。彼が「ごめん、実は」と言いながら押入れを開けたので、浮気相手登場か!?と思ったら美しい毛並みのゴールデンレトリーバーが出てきました。
9話「美肌パック」2-1 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「美肌パック」2-2 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「美肌パック」2-3 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「美肌パック」2-4 / 漫画=雪のヤドカリ
――好きなホラー漫画を教えてください。
雪のヤドカリ:「隣の芝生」という漫画です。
わたしの曽祖父が描いた漫画で、隣人の妻と不倫の末にできた子どもを山中に遺棄する男の話です。誰にも見つからないよう穴を深く掘って埋めるのですが、夜になると腐乱が進んだ赤子が男の枕元に戻ってきて夜泣きするので、今度こそ戻ってこないようにさら深く穴を掘り直して埋めて…。
掘り直すたびに深くなる穴は大人もすっぽりと入るほどの深さになり、最後はうっかりそこから出られなくなってしまうというオチです。
私は気に入っているのですが、法事のときにお坊さんがその本ヤバいから捨てろと言うのでしぶしぶ捨てることにしたんです。
でも、何度捨てても納屋に戻ってきてるんですよねー。
9話「人形」3-1 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「人形」3-2 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「人形」3-3 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「人形」3-4 / 漫画=雪のヤドカリ
――ホラー体験をしたことがあれば教えてください。
雪のヤドカリ:近所の人のお葬式に行ったとき、一際泣いてる人がいるな~と思って、お焼香から戻るときにその人の顔を見てみたら、すっごい笑顔だったことです。ずっと引き笑いしてたみたいです。
9話「毛」1-1 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「毛」1-2 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「毛」1-3 / 漫画=雪のヤドカリ
9話「毛」1-4 / 漫画=雪のヤドカリ
――今回の4コマ漫画で一番苦労したものを教えてください。
雪のヤドカリ:この4コマを描いている間ずっと、部屋の隅にいる赤い着物の女の子がめちゃくちゃ見てくるので、気を散らさないようにするのが大変でした。