ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、エッセイ漫画を描いている漫画家のゆっぺさん。なかでも、2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は完結後、電子書籍が発売。読者からは「(ほかの人にも)読んでみてほしい」「おばあちゃんの言葉が今の時代に対してとても大切なことを言ってくれていて、時々読み返してる」「人生で一番大切なことが描いてある漫画」など感動の声が続出している。
そんな話題の「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」の作者であるゆっぺさんに、本作について話を聞いた。
本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。父の死により、幼いながらも養女として叔父の家で暮らすことになったキヨは、養母から酷いいじめを受ける日々を送っていた。
一方、当時は戦後で食料や物資などがまだまだ不足している時代。なかでも甘いものは貴重だった。そんな状況下である日、大切に保管していた飴を、知らないうちに家に上がり込んだ友人に盗られていた!!何食わぬ顔で接してくる彼女にイライラして、ついキツイ言葉を投げつけてしまい…。
■作者のゆっぺさんに話を聞いた
ゆっぺさんに「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」やキヨさんについて、話を伺った。
―― 「かずちゃん」に飴を盗まれる事件がありますが、当時(戦後)はやはりそういった小さな「盗み」みたいなものは多発していたのでしょうか。もし、キヨさんが言及されていたことがあれば、教えてください。
田舎に住んでいたので食べ物が全くない、ということはなかったようですが、「甘いお菓子なんてごちそう中のごちそう!盗られても無理はない。もらっているところを見られた自分が悪い」と言っていました。とはいえ食べ物の恨みは怖いですよね、一生忘れません(笑)。
――姪っ子ちゃん(義姉の子)が大きくなってくると、義姉さんと姪っ子ちゃんと3人でのお茶タイムが楽しみだったという描写があります。そのシーンにすごくほっこりしたのですが、一方でこれは養母にはバレなかったのかな、とドキドキしたのですが…。
私も聞いたときに気になって質問しました!どうやら養母は黙認していたようです。文句を言っても3対1で負けるから、知らないふりをしていたのではないかと、キヨは言っていました。養母は、自分が嫌われている自覚があったようですね(笑)。
――11月17日(毎年11月第3日曜日)は「家族の日」なのだそうです。ゆっぺさんにとって、「家族」はどういう存在ですか?
子どものころは心から安心できる、頼れる存在でした。自分が親になってからは、命をかけてでも守りたいと思う存在です。何を言っても言われても、決して嫌うことなく、一生付き合っていく存在ですね。ちなみに私はかなりのおばあちゃん子で、父方の祖母はもう20年近く前に亡くなっているのですが、心の中ではしっかり生きています(笑)。
実母に捨てられ、壮絶な家庭内いじめに耐え…と、懸命に人生を歩んできたキヨさん。彼女の生き方に感銘を受ける人は多いはず。まだの人は「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」をぜひ読んでみて。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)