「お前の代わりなんていくらでもいるんだぞ!」と、上司に強く言われたクマくん。怒られたのかと思ったら「だから今すぐ帰って休め!」と、強いセリフのなかには愛があって…?今回は、漫画家のジョンソンともゆきさん(@tomo_yuki252)が2023年10月から投稿を始めた別アカウント「冬眠できないクマ」(@toumin_dekinai)に注目する。
約1年で7.5万フォロワー(2024年11月7日時点)と人気を集める「冬眠できないクマ」は、基本3コマで読みやすく、主人公のクマくんにはセリフがないのが特徴。絵だけで見せるクマくんの優しさと人柄で、世の中の悪を浄化するような不思議であたたかい物語が展開される。今回は作者のジョンソンともゆきさんに制作のきっかけなど話を聞いた。
■社畜、ブラック企業、世知辛い世の中。こんなに優しい人たちばかり溢れていたらいいのに…
「強く言われたクマ」では、「いいか!クマの代わりなんかいくらでもいるんだぞ!」と、上司に強く叱責。怒られたのかと思ったら、体調が悪いクマくんを慮ってのこと。「だから今すぐ帰って休め!」と、強いセリフのなかにクマくんへの愛情があった。
また、「注意されたのかと思ったクマ」では「そこ上座だよ!」と同僚に言われて焦るクマくん。と思えば「もっと真ん中に座ってみんなと喋ろうよ」と、席を移動させたり、クマくんをフォローする優しい社員たちが描かれる。
9万いいねを集めた「ものすごく一緒に確認してもらったクマ」は、「ここミスしやすいからちゃんとチェックしてっていったよね!?」と、注意されたクマくん。次は間違えないようにパソコンに向かって真剣にチェックするクマくんの後ろには4人の社員もずらりと並ぶ。「これでミスがあってもクマくんだけのせいじゃないですよ!」という、同僚のセリフに感動するクマくん。
本作には「複数人でのチェック、ダブルチェックやクロスチェックなんかは現場でも取り入れるミス防止方法。いい同僚さんをお持ち」「良い連帯責任」「データだからメールとかで配って確認してもらえばいいのに、いっしょの机で確認しちゃうの最高か」などの声が届いた。
■毎日のいろんな出来事を受け止めるキャラクターを作りたいと生まれたのがクマくん
――「冬眠できないクマ」はいつごろスタートしたのでしょうか?また、「冬眠できないクマ」が生まれたきっかけを教えてください。
2023年の10月頭からでちょうどこの前1周年を迎えました。誰かの言葉が気になって眠れなかったり、悲しいことがあって気になって眠れなかったり、嬉しいことがあったワクワクで眠れなかったり毎日のいろんな出来事を受け止めるキャラクターを作りたいと思い、「冬眠できないクマ」を思いつきました。
――3コマという短いなかで作品を作るのは難しいと思うのですが、3コマにした理由や気を付けていることがあれば教えてください。
3コマ漫画なのですが、3コマ目の寝ているシーンは余韻にしたいと思っていて、実質2コマ漫画だと思っています。短い瞬間を切り取った漫画になるので、状況がセリフやタイトルで一発でわかるように意識しています。
――最近の作品では、社畜、ブラック企業など会社の辛い面が浮き彫りになることが多いなかで、実はみんな優しかったというオチに癒やされます。愛されキャラを描くポイントはありますか?
ポイントになるかはわかりませんが、クマを一番目立たせる意識をもって進めています。クマだけ描き直すことも多いです。
――「めちゃくちゃ守られてるクマ」など万バズ作品がたくさんあります。感想はいかがでしょうか?
たくさんの人に見てもらえてうれしいです!特にここ最近「たくさんの人に見てもらっているな」という実感がありますし、今までなかった視点でクマのことを見ている人も多くて楽しいです。
――読者のみなさんにメッセージをお願いします。
もっともっとたくさんの人に愛されるキャラクターになってほしいと思って描いていきますので、これからもよろしくお願いいたします!
取材協力:ジョンソンともゆき(@tomo_yuki2525)