山野しらす(@shirasu00mori)さんは、SNSやブログを中心に実話に基づく漫画をいくつも公開している。2024年6月まで投稿していた「私が放置子だった頃の話」は、知人の実体験を基に描かれており、話題になっている。今回は放置子が学習塾へ通うことになるエピソードを紹介するとともに、2児の母でもある山野しらすさんに不倫相手の本妻と一方的に張り合う母親などについても話を聞いた。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
少しのお金を渡され、母の出社に合わせて7時前に家を出るしおりちゃん。夏休みだったので昼間はかなり熱く、午後は図書館で一日を過ごすことも多かったという。
図書館にいるとおじさんから声をかけられ、「一年生なのにそんなに厚い本が読めるのか!」と感心される。普段あまり褒められることがなかったので、しおりちゃんはその言葉がうれしかったようだ。
しおりちゃんから「夜は図書館が閉まったらスーパーに行って、22時くらいまでトイレに隠れてるの」などの話を聞いたおじさんは、しおりちゃんの境遇を察して個人塾の生徒募集のチラシを渡す。なんと、おじさんは学習塾の経営者だったのだ!
その日の夜、しおりちゃんは母にそのチラシを渡すとはじめは嫌そうな顔をしたが、すぐに笑顔になった。
不倫相手のマサ君の長男が来年受験らしく、母は「しっかり勉強して、あの女の息子よりもいい高校に入りなさい」としおりちゃんに言う。しかし、この学習塾がきっかけで、その後のしおりちゃんの運命が大きく変わるのであった。
――不倫相手の本妻と一方的に張り合う母親について、山野しらすさんはどう思われますか?
可哀想な人だなと思います。何をしても、どこまでいっても満たされることがないんだなと…。人と張り合ったり比べるのではなく、自分なりの幸せに向き合えばよかったのになと悲しくなります。
――知らないおじさんに話しかけられて、しおりちゃんは怖くなかったのでしょうか?
少し警戒していたようですが、年配で温和な雰囲気の男性だったこともあり「怖い」という印象はなかったそうです。ただ、しおりちゃんの場合はラッキーだっただけなので、似たようなシチュエーションがあっても、子どもたちにはしっかり警戒心を持ってほしいですね。
本作は放置子の視点からストーリーが展開していき、母の不倫など大人の事情で放置子になってしまった娘のリアルな現状を描いている。興味がある人は、この機会にぜひ読んでほしい!
取材協力:山野しらす(@shirasu00mori)