スマホにかまけて、ビラ配りをはじめ道行く人の声かけを聞きもせず「いらない」とあしらっていた男性。けれど、不穏な「…いりますか?」という問いにも「いらないから」と答えてしまったことが仇となり――。
不用意な反応がよからぬものを招いてしまうのはホラーの常道。そんな恐怖展開と予想外のオチを描いた短編漫画に、X(旧Twitter)上で1.7万件の「いいね」とともに「怖いけど怖くない」「ホラー&コミカルの落差がすごい」と反響が集まっている。
同作は、ネブクロ(@nebukuro41)さんがくらげバンチ(新潮社)で連載する漫画「訳アリ心霊マンション」(※単行本第4巻は2024年9月9日発売)の一篇。エピソードの紹介とともに、作者のネブクロさんに作品制作の舞台裏を訊いた。
■ホラー漫画でもコメディー漫画でもない「ホラーコメディ」
マンションオーナーの薫が心霊現象で敬遠されるマンションの入居者を探す物語、ホラーなシチュエーションだが主人公の笑いあふれる行動が人気を呼んでいる。
WEB漫画No.1を決める投票イベント 「WEBマンガ総選挙2023」で 応募数2万5000件以上の中から上位5作品にランクインした本作。もともとSNS上で反響があり、それを連載板として再スタートしたという。
作者のネブクロさんは「住人の抱えているもの丁寧にギャグに流さず描こうと思っていた。登場人物たちの闇を感じる部分も多くあるが、そこはホラーとギャグの微妙な掛け合わせがポイントになっている。そしてこれは、ホラーとコメディーが混ざり成り立つホラーコメディです」とポイントがブレないように常に意識していると話してくれた。
ネブクロさんは「一話完結の話も多く、目指すは読みやすさです。好きな時に好きに読んでほしい」と読者が作品の途中からでも読むことができるようにしたという。最後に「これからも予想出来ない展開を進めていきますので楽しみにしていて下さい」と読者へ向けてメッセージを残してくれた。
取材協力:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)