幸せに暮らしていたある日、突然激しい吐き気が!理由もわからず繰り返す発作〝オエオエ地獄〟に苦しむこと5年…その原因はパニック障害だった。富山在住のデザイナー・種(たね)さんが、自身の体験を描いた漫画「パニック徒然日誌」がSNSで反響を呼んでいる。
テーマは「なかなか治らない奇病」。漫画に込めた思いなどを著者に聞いてみた。
■「なかなか治らない奇病」
父親が亡くなった直後、突然襲ってきた強烈な吐き気の発作。当初はパニック障害だとは知る由もなく、「悲しみによる一時的なショックに違いない、そのうち治るだろう」と思っていた。しかし、葬儀が終わってしばらくしても改善する気配が見られない。
この謎の発作で一番困ったことは、何でもない(健康な)時にいきなり発作が起きること。もともと体調が悪いのなら多少の心構えもできるが、普通にスーパーで買い物をしている途中に突然視界が歪み、呼吸困難になる。
冬に発症してから、気づけば1年近くが経っていた。少しずつ体調も落ち着いてきたのだが…それはこれから長く続く苦しみの序章に過ぎなかった。
■発作で困ったのは「しんどくて、まず病院に行けなかった」こと
漫画には「やっと一時間くらい外に出られるようになった」とある。「(最初のころは)ほぼ寝たきりでした。横になっていても常に薄い吐き気や倦怠感があり、身体を起こすのもしんどい状態」。外に出られなくて困ったこととしては、「『病院に行く』のができなかったことです。かといって、救急車で運ばれるほどの症状でもないという地獄…!(笑)ただ、もうしんどすぎて、病院に行こうという気力もなかったですね」
発作の頻度はどのくらいだったのだろう?「(発症後)1カ月くらいで少しずつ落ち着いてきたのですが、突然起こる過呼吸と吐き気は相変わらず続きました。これは毎日でしたが頻度はバラバラ、出るタイミングもバラバラ……。1回しか出ない日もあれば朝からずっとオエオエ言ってる日もあったり、本当に大変でした」
調子のいい日に病院の予約をしたものの、いざ当日は吐き気が酷くなってしまい、身体を引きずって行くことになったこともあった。「それくらいバラバラでした。半年くらいかけて、ゆっくり発作の頻度が下がっていった感じです」
※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。似た症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため、閲覧にはご注意ください
取材・文=折笠隆