古今東西の昔の風俗知識を投稿する「昔の芸術をつぶやくよ」さん(「ヤスダコーシキ」名義で著作あり)(@LfXAMDg4PE50i9e)のグロテスクで怖くて切ない話を、今回はみなみさん(@minami_152133)に、ギャル漫画風に描いていただきました。怖さと美しさのアンバランスな共存をお楽しみください。
「ティアボルトとドラリス」というお話をご紹介します。
グロテスクで物悲しいお話「ティアボルトとドラリス」の舞台はイタリアのサレルノと呼ばれる場所。愛妻家だったティアボルトに、妻は「この指輪がぴったり合う人とだけ再婚してください」とだけ言い残して先立ってしまいます。ティアボルトは必死に指輪がぴったり合う人を探すのですが……
※一部ショッキングなシーンがあります。心臓の弱い方は閲覧をご遠慮ください。
※本記事は発売中の「昔の芸術を〈少女漫画風に〉つぶやくよ」から一部抜粋・編集しました。
――「ティアボルトとドラリス」はギャル漫画家さんに描いてもらいました。かなりグロテスクな話なのですが、これはある絵がモチーフになっています。この話がギャル漫画風になった率直な感想をお聞かせください。
ヤスダコーシキさん(以下:ヤスダ):近親相姦で子殺し冤罪でさらに顔をネズミに食われちゃうという不幸のデカ盛り丼みたいな話なので、主人公のかわいい感じが救いになってよかったと思います。ギャルはどの場所で見てもいいですね(笑)。
――「シンデレラのガラスの靴」にしても「亡き妻の指輪」にしても、何かにぴったりはまる、ということが大きな意味を持つことが多いように思います。靴ならともかく、指ならぴったりはまる人はけっこういそうな気がしますが、これ以外に「●●がぴったり」という条件が出てくる話はありますか?
ヤスダ:アンデルセンの童話に「赤い靴」というのがあります。赤い靴を履いた女の子が靴を履いたせいで死ぬまで踊り続けるというお話です。彼女は最終的に足を切断することで靴から解放されます。
――開けたタンスから出てきた女の子と恋をする。急にロマンチックな展開で、絵柄も相まってキュンキュンしてしまったのですが、ここで冷静にツッコミをお願いします。
ヤスダ:まずトイレをどうしたんだ、と彼女に聞きたいです。
――ロマンチックな展開から一転、ドラリスは双子殺しの嫌疑をかけられて、夫によってまさかの生き埋め&大量のネズミを放たれるというグロすぎる仕打ちを受けます。「一番苦しむ拷問を受けろ」とのことでしたが、この時代、ほかにポピュラーな拷問があれば教えてください。
ヤスダ:鉄の処女みたいな大げさな拷問はほとんどなくて、もっと簡単で実用的な拷問が行われていたようですね。鉄の器具に指を挟んで「絞める」。頭に革の紐を巻きつけて「絞める」など、絞めるのがメジャーだったみたいですよ。
――この話の教訓があれば是非教えてください。
ヤスダ:この話は、親父が一番悪いに決まっているのですが、親父の讒言(ざんげん)を簡単に信じたドラリスの旦那さんもかなり悪いです。人の言うことを簡単に信じず、自分でまず考えてみること。これ今も大事ですよね。