大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2024年には結成14年目を迎え、メンバーたちは作家、モデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。
なかでも“グルメ”に特化した活動の幅を広げているのが、6期生のゆいなちゃん(出口結菜)。InstagramやTikTokでは「#ラビグルメ」と称し、関西を中心に、お財布に優しいグルメ情報を自らが編集した動画で発信している。過去にはラジオの冠番組で食レポにも挑戦し、ホームページ「#小麦を愛す女子」を立ち上げるなど、“グルメアイドル”道を邁進中。
そんなゆいなちゃんが、大阪のパン屋さんで見つけた“んーーまい!”ひと品を紹介する本連載。今回は、天王寺の住宅街で愛される「PANGRAM」(パングラム)を訪れた。
■洞窟みたいな店内にわくわく!
「最近トースターを買い替えて、食パンを食べることが多くなりました。5枚切り派です!」と話しながら入店したゆいなちゃんは、「洞窟みたいな店内!絵本の世界みたいでおしゃれ。大きいパンもあって、ちょっと韓国のパン屋さんっぽいですね!」と、早速大喜び。
今回は、恒例となっている爆買いからスタート。「黒トリュフのパン食べたい〜!」「クロワッサン大きい!」と興奮しながら、次々とトレーにのせていくゆいなちゃん。パンダの形をしたパンを見つけ、「しんしん(新澤菜央)や。このパンダのパン、しんしんに買っていこうかな?」と、メンバーのためにパンを選ぶ場面も。「チームBⅡのメンバーは、パンが好きな子が多いんですよ」とのこと。
2022年2月にオープンした同店を運営しているINGRAM INCは、店舗や住宅の設計・施工を専門としている。今回案内してくれたのは、シェフの永田一貴さん。「洞窟をイメージしたお店になっています。もともとパン屋さんの設計・施工もしていたのですが、コロナ禍で出店が減って、仕事が少なくなったんです。そこで『新しいことをしたい』ということになり、オーナーがパン好きなのもあって、この店が生まれました。うちの社員は20〜30代がほとんどで、商品はみんなでアイデアを出し合って作っています」と、お店について教えてくれた。
パン屋さんを始めるにあたり、10年以上の経歴を持つ職人を招いたほか、永田さんとオーナーは他店で修行も積んだそう。総菜系が充実したパンは60種と豊富なラインナップで、11時ごろに一番多くの種類が並ぶという。
2023年から販売している「生ドーナツ」も評判だそうで、天王寺ミオやなんばパークスにはドーナツショップ「P.G.donut」を展開。「天王寺ミオの『パンまつり』に出店したときに、おかげさまで好評に終わり、施設側からお声がけいただき正式出店にいたりました。なんばパークスのお店では、パンも少し販売しています」
■しょっぱいのも甘いのも!おすすめパン5品
ここからは、おすすめのパンについて話を聞くため、2階のイートインスペースへ。壁には地層を表現したクロスが貼られ、ゆいなちゃんも「落ち着く空間ですねぇ…」とポツリ。
「イートインスペースは、土日はInstagramを見て来てくれたという若い人が多いですね。幼稚園が近いので、平日は子ども連れの方がよく来てくださいます。お隣の幼稚園には給食のパンを卸しているんですよ」と永田さん。そのほか、星野リゾートにもパンを提供しているのだとか。
まずおすすめしてもらったのは、ゆいなちゃんの顔と同じサイズの「バタークロワッサン」(260円)。「大きいと味気なかったりすることもあるけど、食べてもらいやすい、しっかりおいしいように意識して作っています。食感は、子どもも食べやすいようにさっくりというよりふわふわ系ですね。バターはフランスのものを使っているので、香りもいいですよ」
「ザクザククランキーメロンパン」(200円)は、店で一番人気の商品。「上のクッキー生地には焦がしバターを使っていて、香ばしさとザクザクした食感のよさが特徴です」。ゆいなちゃんは、「メロンパンが3種類もあったのにびっくりしました。なかなかないですよね」と、しっかり売り場もチェックしていた。ほかの2種類については、「ザクザククランキーメロンパン」の生地に紅茶やココアを加えている。
「大葉×ブロックベーコン」(360円)には、「これが一番気になってたんです。大葉は丸々1枚入ってるんですか?」と、大葉好きのゆいなちゃんも興味津々。「1枚丸ごと包んでいるのに加え、生地から見えている黒い部分も大葉です。しっかり香るように練り込んでいます」と永田さん。ゆいなちゃんは、「めっちゃいいにおい。けっこうハードめですか?」と質問が止まらない様子。そこに、「生地はハード系ですね。多加水のパリッともちっとした生地の中に、ブロックベーコンをゴロゴロと入れています」と、なんとも食欲をそそる解説が。
ここで、ゆいなちゃんが「大葉×ブロックベーコン」を実食。「生地はもっちもちなんですけど、噛み応えもあって、ハード感もあります。大葉が生地にも入っているから、あっさり食べられる。1つで満足感があるので、朝ご飯とかに最高ですね!ベーコンがめっちゃ入ってて、ゴロゴロで肉厚!」という感想を受け、「どこを食べてもベーコンに当たるように入れています」と永田さん。
ゆいなちゃんはさらに食べ進め、「大葉がきました!ベーコンの肉肉しさやおいしい脂を大葉が引き締めてくれて、後味がいいです。端までベーコンがたっぷり!上の生地がパリパリで、下は分厚めで弾力がある。もちもち感があっておいしいです」と、あっという間に完食した。
そして、「ほうれん草とフォンデュソース×ベーコン」(350円)は、ベーコンが大きく見えるビジュアルも魅力的。「水をたっぷり含ませた柔らかめのソフトフランス生地に、ホウレンソウとオリーブオイルを練り込んでいます。先ほどの『大葉×ブロックベーコン』よりもっちりしていて、噛み切りやすいと思います。ベーコンのほか、ホウレンソウと相性がいいチーズソース入り。ホウレンソウ入りでヘルシーだけどガッツリ食べられるパンです」
「生ドーナツ 生カスタード」(400円)は、人気のドーナツシリーズ。「ドーナツ、やったー!」とゆいなちゃんもうきうき。「バターと卵、砂糖をしっかり使ってリッチな生地にしています。次の日に食べてもふわふわなように作りました。このサイズでクリームを使っていると重いと思うかもしれませんが、生クリームとカスタードを半々にしていて、生クリームがあんまり甘くないから意外と軽く食べられますよ。カスタードも店で炊いています。今、生ドーナツ屋さんが増えていていろいろな作り方がありますが、うちは生クリームをしっかり使った、しっとり柔らかい食感の生地です。上にも生クリームを絞っています」
こちらもガブリと実食。「これは…クリーム、飲めますね。めっちゃおいしー!ちゃんと甘いけどくどくない」。子どもにも人気の商品だそうで、「ドーナツショップのほうは30代、40代が多いです。男性も多く、手土産にも活用してもらえていますね。低温で長時間しっかり発酵させて、ふわっとさせつつ生地の旨味を出しています。揚げるのもじっくり」と説明が。
さらに、「ドーナツなのに軽い。全然油っぽくない!」というゆいなちゃんに、「米油を使っているからですね」と教えてくれた。
■働く人にうれしい営業スタイル
店の営業時間は独自のスタイルを取り入れており、「正式なオープンは10時ですが、8時からは焼き上がっているものから買っていただけるように店を開けているんです。つまり、全種はそろっていないけど、焼きたてパンが食べられるということです。イートインもその時間から使えます」とのこと。「いいですね、寝起きのまま…いや、こんなおしゃれなとこ寝起きで来れへんか(笑)」と葛藤するゆいなちゃんに、「パジャマで来られる方もけっこういますよ(笑)」とうれしい情報も。
クロワッサンをはじめとするパンが大きい理由について、「オープンするにあたり、韓国でパン巡りをしたんです。大きいものが多かったので、インパクトを出すために参考にさせていただきました。塩パンの上にも韓国の塩を使っています。以前は別のものを使っていたんですが、あまりしっくりこなくて。現地で見つけた塩を買って、帰って使ってみたら「これだ!」となりました。今も半年に1回、韓国でパンの食べ歩きをしています。今後はデニッシュ専門店も構想中です」と永田さん。
また、「天王寺だけど寺田町寄りということもあって、親しみやすい“町のパン屋さん”を目指しています」と、コンセプトを教えてくれた。「1番人気はメロンパン、2番人気は塩パンです。3番はクリームパン。店で炊いている、優しい甘さのクリームが詰まっています」と、好評のパンも昔ながらの商品が中心だ。
お客さんから商品の提案をしてもらったり、感想を聞くことも多いそう。「阪神タイガースがリーグ優勝したときには、メロンパンの100円セールをしました。そういうイベントも今後やっていけたらと思っています」
取材中、広報スタッフを務める女性が同世代だと知ったゆいなちゃんが、「ほとんど同い年でこんな素敵なパン屋さんを…!」と感動するシーンや、お客さんの子どもに「かわいい〜」と頬を緩ませるシーンもあった。そして「パンダのパン、しんしんに渡します〜!」と、今回もパンがたっぷり詰まった袋を手に、笑顔で退店。次回はどんなパン屋さんとの出合いが待っているのか?お楽しみに!
取材・文=上田芽依
撮影=大西二士男
※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。