「怖かったら一杯無料」を謳い文句に、実話ホラーを語ってくれる客を待つ、スナック店主兼シナリオライターのエミ。霊感ゼロながらも、なぜか彼女の元には続々とコワイ話が集まってくる…。そんな珠玉の“コワイ話”を1話完結で展開していく漫画「丑三つ時、コワい話はこのBarで」。そこにつづられているストーリーは、フジテレビ「ほんとにあった怖い話」や「呪怨 THE LIVE」の脚本家でもあり、本作の原作者・穂科エミさんが集めた実話がもとになっているというから驚きだ。
今回は、第3話「黒い影」の前編を紹介するとともに、原作者の穂科エミさん、漫画を担当している近原さんのお2人に話を伺った。
今回エミの店を訪れたのは、高校時代の同級生の洋子。以前に行ったハワイでの不可解な出来事について語り始めた。夜、道に迷ってしまった彼女は、子どものころから頻繁に見る夢に出てくるような道に遭遇。「あの夢の道に似ている」と思い、つい近づいてしまったのだが…。
■原作者・穂科エミさん&漫画担当・近原さんインタビュー
本作の原作者である穂科エミさんと、漫画を手掛ける近原さんに話を聞いた。
――3話「黒い影」についてお尋ねします。このお話も、実話がベースになっているかと思いますが、この話をお聞きになったときの感想をお聞かせください。
【穂科】本編でも書かれておりますが、私自身、人の見た夢の話ほどおもしろくないものはないと思うほうなのですが、この悪夢についてはとても臨場感があり、怖い話として驚くほど成り立っている夢だったので、とても興味深く聞かせていただきました。
――穂科さんが3話で一番気に入っているシーンを教えてください。
【穂科】ずっと同じ距離を保って現れていた謎の人物がいきなり近づいてくるあたりは、絵で見てゾッとしました。夢とはいえとんでもなく怖いなあと…。
――3話でこだわったところ、大変だったところなどがあれば教えてください。
【近原】不気味な体験というよりも最終的にはほっこりするお話だったのですが、その切り替えのタイミングに迷いました。
――読者にメッセージをお願いします。
【近原】この作品を読んで、ほんのり追体験で涼を感じていただければと思います。
「丑三つ時、コワい話はこのBarで」は穂科さんが人から聞いた話や、穂科さん自身の実体験エピソードがもとになっているそうで、“本当にこんなことが!?”と考えながら読むと、より一層怖くて惹き込まれる。近々、「丑三つ時、コワい話はこのBarで」の書籍が発売予定ということで、そちらもお楽しみに!
取材協力:穂科エミ(@hbdg1999)、近原