「もし日常に小さくなった動物がいたら」をコンセプトにクスッと和むイラストを描き、XやInstagramで発信しているつじもと(@tsuji00)さん。なかでも、あざとくてかわいい、食いしん坊なコーギーのコギャが人気だ。
思わず触りたくなるようなムチッとしたボディ、こっそりと食べ物の近くに潜み、あわよくば食べてやろうというあざとさと食い意地、ころころ変わる表情など、コギャのかわいらしさは悶絶級で多くのファンを魅了している。
ウォーカープラスでは、そんなコギャの日常をゆるく描いた絵本のような漫画「食いしん坊のコギャ」を、つじもとさんのインタビューとともにご紹介。コギャの誕生秘話やこだわりポイントなどを、連載として全5回でお届けする。
今回は、「ピザ」と「フルーツサンド」の2作品をピックアップする。
■とろーりチーズをモグモグ
――ピザをテーマに選んだ理由を教えてください。
「ピザの絵を描こうと思ったときに、真っ先にコギャがチーズを咥えてついていこうとする絵面が浮かびました。さらにその場面をアップで描いたら『いったいこれは何の場面なんだ…』とよりシュールになっておもしろいなと思い描いてみました」
――「ピザ」のこだわりポイントはどこですか?
「ピザのチーズがにゅいーんと伸びる瞬間が好きなので、できるだけ伸びている感じが出るようにこだわりました。ピサがチーズたっぷりなところや、生地が少し焦げてカリッとしている感じが上手く表現できて気に入っています」
――「ピザ」でのコギャの思惑はなんでしょうか?
「飼い主がピザを食べようと持ち上げた瞬間、伸びているチーズに食いついてついてくるコギャ。まるでこのピザは自分の物だと言わんばかりに食べ進めていきますが、チーズがコギャの重さに耐えきれず千切れてしまい、容赦なく転落していくコギャなのでした」
――もし、つじもとさんがピザを食べようとしたとき、実際にコギャが出てきたらどのような反応をしそうですか?
「個人的にピザのチーズが伸びる瞬間が好きで、伸び切ったチーズを口に垂らすように食べるあの瞬間がたまらなく好きなんです。多分コギャならそれを邪魔してきそうだなと思って絵に描きました(笑)。人の楽しい瞬間をしれっと邪魔してくるけど、愛らしいからなんだか許せちゃう。そんなあざとさがコギャの魅力だなと感じています」
■生クリームのトンネル?
――フルーツサンドをテーマに選んだ理由を教えてください。
「フルーツサンドってシンプルにフルーツを挟んだものもかわいいですし、フルーツを上手く組み合わせてお花のような形を描くなど、アート的なかわいさもある美しいスイーツだなぁといつも思っていました。それをコギャに台無しにさせたらおもしろいなと思って絵にしてみました(笑)」
――「フルーツサンド」のこだわりポイントはどこですか?
「フルーツサンドをコギャが掘ったときのかき分けられたクリームの感じを描くのにとても苦労しました。フルーツサンドを掘り進めた経験なんてないので…必死に頭の中で想像しながらリアルさが出るように描きました。コギャの頭の形にくり抜かれた穴が気に入っています」
――「フルーツサンド」でのコギャの思惑はなんでしょうか?
「フルーツとクリームがおいしそうだなと食べていたらどんどん先まで続いているから、掘り進めていってみたら貫通してしまったのでしょうね。それが楽しかったのか隣のフルーツサンドにも突入してしてしまうコギャなのでした」
――もしつじもとさんがフルーツサンドを食べようとしたとき、実際にコギャが出てきたらどのような反応をしそうですか?
「コギャって綺麗で見た目が映えてる食べ物ほど台無しにしてきそうなイメージがあります。『かわいいから写真撮ろう!』とカメラを構えている間に大変なことになってそうなので、フルーツサンドを食べるときはスピード勝負だろうな…と思っています」
今回の連載にあたってチャレンジしてみたことを尋ねると、「まず、今まで漫画を描いたことがほとんどなかったので、漫画を描くこと自体が大きな挑戦でした。これまでは一枚のイラストを描くことが多く、しっかりとストーリーを考えたことがなかったので、『もしこの絵に前後のストーリーがあったらどんな感じだろう』と考えてみることから始めました。また、読み進めていったときに読者の方が驚いたり、思わず笑みがこぼれたりするような作品になったらいいなと思い、試行錯誤を重ねて制作しました」と話してくれた。
取材協力:つじもと(@tsuji00)