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夫と義母の嫌なところはSNSの体験談がヒントに。「どちらかの家庭が崩壊する漫画」で鬱憤晴らしを【作者に聞いた】

  • 2023年9月20日
  • Walkerplus

妻へのお土産にスイーツを買ってくる、気立てのよいエリートの薬師寺シュウ。一方、無職でギャンブルにお金をつぎこむ毒山(ぶすやま)ゴン。「どちらかの家庭が崩壊する」と言われたら、毒山家が崩壊すると予想する人が圧倒的に多いだろう。しかし、どうやらシュウには「世間から見えない裏の姿」があるようだ…。

夜泣きの対応に追われるユイの横で爆睡し、自分で取りにいけばいいのに「オレの箸どこにあるの?」と発言するシュウ。一方、お漏らしで慌てるマリンのことを落ち着かせて処置を先導し、料理を作るゴン。収入格差はあるものの、どちらが妻子に寄り添っているかという点ではゴンに軍配が上がりそうだ。そして、シュウとゴンの母の対比も印象的だ。プレゼントに服がダメ、現金がいいというのは一概に言えないが、義母の突然の訪問は嫌だという人は多いのではないだろうか?

横山了一(@yokoyama_bancho)さんの漫画「どちらかの家庭が崩壊する漫画」はX(旧Twitter)で「大晦日にどちらかの家庭が崩壊する漫画」として2022年末に公開され、シュウやシュウの母の“問題行動”は、「最低夫と義母のテンプレ」と反響を呼んだ。シュウの母のキャラクター作りには妻で同じ漫画家である加藤マユミ(@katomayumi)さんのアドバイスも大きかったという。横山さんと加藤さんに、どうやって嫌な夫と義母のキャラクターを作り上げていったのか話を聞いた。

■お互いの制作にはノータッチな漫画家夫妻。“嫌な義母”だけは例外!?
――義母のポーズモデルを加藤さんが務めていたという話を聞きました。夫婦で漫画家という同じ職業なわけですが、普段からお互いの作品について意見を交わすということはあるんですか?

【加藤】普段はお互い作品には干渉していないです。

【横山】作品のタイプが違うのでないですね。ただ、姑を出すあたりで「こういう姑を出そうと思うんだよ」と話をしたら「違う!」って言われて(笑)。

【加藤】X(旧Twitter)で義母の愚痴を書き込んでいるアカウントの内容を読んだことがあって、世の中にはすごい姑さんがいるなぁと記憶に残っていたんです。そういう姑像がいいんではないかと話をしました。

【横山】僕はもう初めから悪意を強く向けてくる姑をイメージしていたんですが、もっと物腰が柔らかくて、良かれと思って自分の意見を押し付けてくる。悪気はないんだけど、結果的に嫌な気持ちにさせる姑がいいだろう、と。

【加藤】真綿で首を締めるようなね。夫のキャラクターはストレートな人が多いから、いい人に見えてお嫁さんだけ「うっ」ってなるようなキャラクターがいいんじゃないかって話をしましたね。

――そうすると、今回シュウの母についてはキャラクター設定に関して話が及びましたが、こうしたことは珍しいんですね。

【横山】そうですね、発表してから感想をもらうことはありますが、事前にということはないかな。

【加藤】お互い、あまり興味がないんです(笑)。好きにやれば、という感じで。いい意味で自由にしています。

――娘が夜中に泣いていても、父であるシュウは爆睡というシーンがありました。「あるある!」と共感する読者も多いエピソードですが、お子さんが2人いる横山さんご自身はどうだったのでしょうか?

【横山】自分では結構頑張っていたと思っているんですが、(加藤さんに向いて)どう?

【加藤】そうだね、割とゴンタイプの父です。

【横山】娘が風邪を引くと寝つきが悪くなるタイプだったんです。抱っこだったら寝るんで、1時間ずつ交代で抱っこして外を歩いたりしていました。僕の漫画ってそんなのばかりです(笑)。外を徘徊するパパが出てくるんですが、あのときの不安感や手持ち無沙汰感は実体験ですね。

――子供が生まれて生活が一変する中で、父親である夫への不信感や不満が募って「産後の恨み」になるという話もよく聞きますが、加藤さんは横山さんに対して「産後の恨み」はあったりしないですか?

【加藤】ないですね。家にずっと一緒にいてくれるから、ワンオペにも無縁ですし。どちらかが忙しいときはどちらかが見てという感じで、子供がいるから自然と協力していく体制が整っていきました。

――横山さんがゴンタイプの父親となると、シュウのキャラクターはどのように作り上げたんでしょうか?

【横山】Instagramで投稿されているエッセイ漫画をよく読むので、そこからシュウのキャラクターは膨らませていきました。

――シュウへ読者のヘイトが集まりやすいストーリーですよね。同じ男性として描いていてそわそわしたりしないんですか?

【横山】自分で言うのもなんですが、育児を頑張ってきたので、育児を頑張らない人のことはこう描いてもいいだろうって思ってます。それに、漫画家って自分のことを言われるのはキツイと思うんです。エッセイを描いていて、描き手である作家本人のことをあれこれ言われると嫌になっちゃいますが、創作のキャラクターで憎まれるように描いているので「どうぞ憎んでください」って感じですね。

【加藤】私はそこまで割り切れないですね(笑)。自分のキャラクターがあんまり憎まれるのはキツイです。

【横山】僕は自分とキャラクターは切り離しているので、引きずらないですね。最後には鉄槌がくだるので、読者には憎んでもらった分、スカッとしてもらえたらと思います。

無職のゴンと会社で仕事をしているシュウとでは、家にいる時間が違う。家事育児に取り組める時間に長短が出るのは当然のことではあるが、大事なのはかけられる時間の長短ではなく、妻への気持ちなのだろう。シュウやシュウの母のような存在が身近にいて鬱憤が溜まっている人は、このあとの薬師寺家がどうなるのか注目してみてほしい。

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