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そのひと手間で伝わる愛情。夜勤で寂しい思いをする息子と母を繋ぐ「手作りおかず」【作者に聞く】

  • 2023年9月25日
  • Walkerplus

看護師でありシングルマザーであるまゆんさん(@mayun4311)。彼女の著書「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」は、自閉スペクトラム症で特別支援級に在籍する息子・太郎くんとその周囲の人々の心温まる暮らしを描いたコミックエッセイだ。「太郎くんの素直な一言で心が解きほぐされる」と反響が寄せられた本作から一部を抜粋・編集し、まゆんさんのインタビューとともにお届けする。

今回のテーマは「ついつい甘えてしまうこと」。

■夜勤を再開するときに約束したこと
まゆんさんがある日、夜勤へ行こうとした時に「今夜の太郎のご飯は?」とばあば(まゆんさんのお母さん)が聞いた。「あ!作ってない!」と言うまゆんさんを、「何か食べさせておきますよ」と笑顔で見送るばあば。

「太郎が5歳の頃に夜勤を再開しました。ばあば(母)は『(私が)太郎のご飯の準備をする』という条件のもと、協力を快く引き受けてくれました。それから週に1回の夜勤の日は、太郎のご飯を用意してから出勤していましたが、正直『夕食くらい食べさせてくれたってよくない?』と思うことも」

その夜、ばあばが作った料理を見て「お母さんの手づくりは?ないの?」と尋ねる太郎くん。どこか寂しい表情で食事を済ませる。

「ある日、ばあばから『太郎は何も言わんけど、まゆんの作ったご飯がないとなんとも言えん顔するよ?』と伝えられ、自分のことしか考えてなかったとはっとしました。『自分だけの息抜きのために甘え続けると、誰かにしわ寄せが来てしまう』ということに気付かされました」

そこで夜勤の日は、毎回休憩時間に電話をかけたり、時々手紙を置いていったりして、太郎くんができるだけ寂しい思いをしないように工夫したそう。

太郎くんの個性をあたたかく見守る“やさしい世界”を描いた「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」には、自分にも他人にも優しくなれる生き方のヒントが詰まっている。


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