
南極で暮らすアデリーペンギンが、都会で暮らし始めた。ポテチとコーラを食べながら、自堕落に生きるアデリーペンギンは、完全に野性を失っていた。人間さながらの生活を送るアデリーペンギンを描いた漫画家・イラストレーターのおぞねさん(@kedama_tori_ki)の創作漫画「都会でペェペェ!虚無かわいいアデリーペンギン」を紹介する。
■南極生まれ。白黒模様が特徴のアデリーペンギンの都会暮らし
白黒模様が特徴のアデリーペンギンは、関東圏のICカード「Suica」のイメージキャラクターといえばわかりやすいだろう。中型ペンギンで、つぶらな瞳をしていてとてもかわいい。そんなアデリーペンギンが都会で生活を始めたら?チキンやピザを食べ過ぎて太ってしまい、金欠になって仕事を探すことになった!?そんな愛らしいエピソード満載の本作について、作者のおぞねさんに制作秘話を聞いた。
ーーまずは、アデリーペンギンを主人公にした理由を教えてください。
日本画を描くために水族館でアデリーペンギンを観察していた際、かわいさだけではなく、哀愁と狂気、そして虚無をまとったその目つきに惹かれました。それから数年間、ほぼ毎日アデリーペンギンを描き続け、この度の書籍にて主人公となりました!
ーー書籍化するまでの経緯を教えてください。
Twitterにてアデリーペンギンのイラストや漫画を投稿し続けていると、ある日連載のお誘いをいただきました。その後、みなさまのあたたかい応援のおかげもあって、ありがたいことに書籍化となりました!
ーー野生のアデリーペンギンは攻撃的だったり、腹黒かったりと見た目とのギャップがあるそうですね。本作で、野性味を生かした部分、逆に失くした部分はどのようところですか?
本作のアデリーペンギンは、南極から都会で暮らしているうちに野性を失った個体です。美味しい都会のご飯でもちもちに肥え、泳げなくなり狩りに行くこともなく、暮らせるだけの収入を在宅ワークで稼ぎ、のんびり暮らしています。しかし、鳥なのに飛べないことを煽られたり、日々暮らしの中で危機に直面した際、稀に内なる野性を思い出して好戦的になり、窮地を乗り越えてきました。
ーーアデリーペンギンを描く上で、こだわっているところを教えてください。
作画上のこだわりでいうと、アデリーペンギンの表情はこだわりポイントです。同じ丸の目でも、喜怒哀楽を書き分けたりと、何度も納得がいくまで書き直しております。野性を感じさせる険しい顔やリアクション顔芸なども、バリエーション増やしていけたらなと試行錯誤中です。
ーーアデリーペンギンに懐いた新しいペット「メンダコ」がでできます。Twitterで投稿した「禁断のたこ焼きを食べる話」には大きな反響がありましたが、いかがですか?
まず、タイトルと1ページ目で嫌な予感がしたとおっしゃる方が多く、焦ったコメントをいただき、おもしろかったです。アデリーさんに「ぜんぶ食べちゃだめだよ!」と呼びかけをする方がいらっしゃる反面、「あれ?でもこのメンダコは洗脳して寄生してるから、食べられても自業自得なのでは…」と本質的な部分を読み取ってくれている方もいらっしゃいました。今後とも、2匹のほっこりエピソードに垣間見える、危うい関係性をお楽しみにいただけたら幸いです。
ーー読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
いつも応援していただきありがとうございます。おかげさまで、1冊の本となりました。かねてよりの夢だったため、本当にうれしく思います。今後はグッズ製作にも力を入れていき、ますます盛り上げていきたく思います。そして、目指せ2巻!ですね…!引き続き応援よろしくお願いいたします!
Twitterフォロワーは3万人を達成!ヴィレッジバンガードのオンラインストアでは、「虚無かわいいアデリーペンギン」のぬいぐるみやキーホルダー、トレーナーなどのコラボグッズが爆誕。書籍では未公開エピソードを含め、描き下ろし20ページを収録している。かわいいだけじゃないアデリーペンギンに笑って癒やされること間違いなしだ。
取材協力:おぞね(@kedama_tori_ki)