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タザキの投資本案内「となりの億万長者 〔新版〕ー 成功を生む7つの法則」/なぜ、お隣に住むあの人が億万長者になれたのか

  • 2023年7月19日
  • Walkerplus

こんにちは。YouTubeチャンネル「聞いてわかる投資本要約チャンネル」を運営している、二児の父でサラリーマン投資家のタザキ(@tazaki_youtube)と申します。

学生時代に株の魅力を知って以来、投資本好きが高じて自分の学びをYouTubeで発信したところ、想像以上の反響を呼び、3年間でチャンネル登録者が10万人を超えました。これまでに読んだ投資・マネー系の本は300冊以上。

その経験から、ここでは特におすすめの書籍や、コスパの高い書籍を、経験値や投資スタイル別で紹介していきます。本日は「となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則」(著:トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ、訳:斎藤聖美 /早川書房)を紹介します。

これらは、一見普通の人が、どのように億万長者になったのかを解き明かす本です。全米調査から興味深い統計が明らかになったことを基に、「億万長者のリアルな姿」を描いています。

全米調査から、蓄財に成功している「蓄財優等生」と、蓄財できていない「蓄財劣等生」という2つのグループに分け、その違いを分析しています。平均所得は共に年間約5万ドルで大差ありません。しかし、平均資産は蓄財優等生が60万ドル以上、蓄財劣等生は、10万ドル程度です。

また、100万ドル以上の資産を持つ人の比率が、蓄財優等生では6割弱いる一方で、蓄財劣等生はゼロでした。

年収が同じでも、このような資産額の開きがある理由は、生活水準、働き方、時間の使い方、投資手法の4つが大きいのではないかと考えられます。

■億万長者は見栄より本当の安心を選ぶ
蓄財優等生は、お金を持っている割には着飾らないため、一見「普通の人」として見られ、浪費せずに安定した生活を送っています。心配事が少ないため精神的にも安定しており、人生の満足度も高いという特徴があります。

実際に購入した商品の価格帯としては、最も高いスーツでも、75%の人が599ドル以下。最も高い靴は、199ドル以下が75%、最も高い腕時計は1125ドル以下が75%と、あまり高価なものを持っていません。

億万長者なら、高いスーツや靴や腕時計を身につけていそうなイメージがありますが、そのようなものに全くお金をかけていないのが、彼らの特徴です。

「サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット」(著:モーガン・ハウセル/ダイヤモンド社) でも、「見栄は巨大な産業」と表現されていたことも思い出されます。お金のEQ(心の知能指数)を高めるためには「他人に見栄をはりたい」という感情はさっさと捨てるべきですね。

一方、蓄財劣等生は、たとえ多くの収入があったとしても、資産を築くことができません。また、人生における心配事が絶えません。

同書の調査では、経済、子供、健康、家族など、人生において悩みの種となる31の項目のうち、蓄財優等生たちはわずか7つの心配事しか持っていないのに対し、蓄財劣等生たちは19個もの心配事を抱えていることが明らかになりました。そんな彼らが重視しているのは、世間体や見栄であることも分かりました。

蓄財優等生たちは、車などの外見で価値が決まるわけではなく、お金の心配をせずに生活できることが、世間体を気にすることよりもはるかに重要だと考えているようです。

あなたはどちら側の人生を選びたいでしょうか?心配事の少ない人生を選ぶのか、それとも世間体や見栄を重視する人生を選ぶのか。この2つの選択肢の間にある決定的な違いは、根本的な価値観によるものだと考えられます。

■受け継がれる金銭感覚
さらに、金銭感覚は「親から子へと引き継がれる」という点も注目に値します。蓄財優等生の親からは、親の生活水準やお金に対する意識といった価値観が受け継がれるため、次世代も蓄財優等生になる傾向があります。

一方で、蓄財劣等生の親からも、子供たちへ金銭感覚が受け継がれてしまうことが示唆されています。「蓄財劣等生は蓄財劣等生を再生産する」という言葉は、例外はあるにせよ、残酷な世の中の真理をついているようでした。

これらのことからまとめると、蓄財優等生は必ずしも蓄財劣等生より稼ぐ力が強いわけではなく、浪費をしないことを大切にしているのだと分かります。

■働き方の違い
億万長者の働き方について特筆すべき点は、蓄財優等生の約6割が自営業者であるのに対し、蓄財劣等生の方は自営業者がわずか24%しかいないことです(これは昔のアメリカのデータであることは考慮すべきですが)。

また、億万長者たちが働く業界や職種には、あまり共通点がないことが分かっています。自営業者や法人経営者が多いという特徴がありますが、「普通の仕事」が億万長者になる近道だとされています。具体的な例としては、アパレル業界、エンジニア、害虫駆除サービス、果樹園経営、カフェ経営、清掃サービス、精肉加工店、ドーナツメーカー機の製造、エンジン改造販売など、一見金持ちのイメージと直結しない業界や職種の人たちも多く存在しています。

普通の仕事で「ビジネスチャンスを見いだす」人が億万長者の特徴と言えます。

ただし考慮すべき点として、サラリーマンと自営業の年収を額面上で同等に評価することは難しいという点があります。自営業の場合、一部の生活費を経費として計上できることがあります。例えば、自宅の一室を仕事用に使っていれば、家賃や電気代の一部を経費として正当に計上できます。それらの経費の支払い後に課税されるため、個人事業主は節税を効果的に行っています。

一方で、サラリーマンは税金を先に徴収され、その後にさまざまな支払いが発生します。この違いから、自営業の年収500万円とサラリーマンの年収500万円では、自営業の年収500万円の方が豊かであると考えられるでしょう。

そのため「同じ年収なのに自営業の方が、無駄遣いが少ない!」と断定するのは公平ではないかと思われます。まあ、それを差し引いたとしても「蓄財優等生」の方が無駄遣いをしないマインドを持っていることには変わりはないのですが。

■日常的な時間の使い方の違い
ここでは2021年にリニューアル版として出版された「その後のとなりの億万長者 ──全米調査からわかった日本人にもできるミリオネアへの道」(著:トーマス・J・スタンリー、サラ・スタンリー・ファラー/パンローリング)から、時間の使い方の違いを見ていきます。

それでは、億万長者と平均的なアメリカ人が1週間で特定の活動に充てている時間を見ていきましょう。仕事に関しては、両者とも約30時間台ですが、娯楽としての読書にかける時間は、億万長者は週に5.5時間なのに対し、平均的なアメリカ人はたったの2時間です。これは約2倍以上の差があります。

ソーシャルメディアにかける時間にも大きな違いがあります。億万長者は週に2.5時間しか使っていないのに対し、平均的なアメリカ人は14時間も費やしています。また、運動にかける時間も、億万長者は平均的なアメリカ人の2倍以上で、週に5.8時間です。家族の世話に関しても、億万長者は平均的なアメリカ人の2倍以上の8.5時間を使っています。テレビゲームに関しては、平均的なアメリカ人が1.7時間ほど使うのに対し、億万長者はそれよりも少ない時間を費やしています。一方で、睡眠時間は億万長者の方が若干短いです。

1週間という限られた時間の使い方を見ていくと、明確な違いが現れていますね。

特に、ソーシャルメディアに費やす時間というのは、20年前には存在しなかった概念です。「その後の億万長者」は、本人の作品ではありませんが、現代社会に合わせた点がきちんと追記されていたことは、私が今回この続編への期待を満たされたと感じるポイントでしたね。

私自身、YouTuberでありながらこのような話を取り上げるのは(笑)と思いましたが、私のチャンネルは、自分が読みたい本を選ぶ助けになる情報と自負しておりますので、本書の億万長者たちのような読書ライフを充実させるために、ぜひご参考にしていただければと思います(笑)。要は物は使いよう、YouTubeも使いようですね。

■地に足をつけ、じっくり長期投資
億万長者たちは、95%の人が株を所有しています。そして、大半の人が資産の20%以上を上場株式に投資しています。

しかし、彼らは新聞を読んでマメに株の売買を行ったり、毎日チャートの上がり下がりをチェックしたりはしません。実際、42%の人が過去1年間で自分の株に一切手を触れずに放置しているそうです。

その一方で、資産運用に関する勉強や調査には、普通の人よりも2倍ほどの時間を費やしています。中には、良いアドバイザーを雇う人もいますが、雇ったアドバイザーよりも自分の研究を信じると考えている人が約3割もいます。

これらのことから、資産運用に時間をかけ、最終的な判断はきちんと自己責任の元、行っているという姿が浮かんできます。

■まとめ
それでは、アメリカの億万長者たちの特徴を理解できたでしょうか。普通の人が億万長者になるためには、正攻法でコツコツと時間をかけて努力することが一番だと感じられます。シンプルに、自分の得意なことで事業を興し、質素な生活を送るのが一番だと言えるでしょう。

こちらはアメリカのデータでしたが、実は日本でも類似の傾向が見られるようです。『となりの億り人』(著:大江英樹/朝日新聞出版)では、約3万人の投資相談を受けた著者が、億万長者は一見地味で、倹約家であるという点などで、同様の傾向がみられるようです。

実際に、日本の全世帯の中で資産1億円以上を持っている富裕層は、2019年時点で約133万世帯とされています。これは、日本では世帯主100人のうち2〜3人が億万長者であることを意味しています。そう考えると、『となりの億万長者 〔新版〕ー 成功を生む7つの法則』の内容は、日本でもよくあることだと考えられます。

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