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急増中の「クラフト」商品の定義とは?「クラフトみそ」を開発するメーカーに聞いてみた

  • 2023年5月3日
  • Walkerplus

クラフトビールにクラフトコーラ、クラフト手芸、クラフト歌手…一時期から多く目にするようになった「クラフト」という言葉。「クラフト」とは、直訳では「技術」「工芸」「職人技」といった意味があるが、ここ数年では「こだわり抜いた」「従来の作り方から転じた」「少量生産で」といった意味で使われるようになり、このワードを冠する商品や技術が増加している。

そんななか、長野県に拠点に置き、こだわり抜いた味噌や発酵由来の新商材を開発していることで知られる味噌メーカー・ひかり味噌でも、「クラフトみそ」を謳う商品を発売。その名も「CRAFT MISO 生糀」。

もともと“クラフト的思考”が強いように見えるひかり味噌だが、そこで開発された「クラフトみそ」とは一体何なのだろうか。同社が思う「クラフト」の定義とは何かと合わせて、担当者に話を聞いた。

■「クラフト」の理由は「こだわりの技」と「香り」
担当者によると、同社では「クラフト」の定義を「熟練の職人が試行錯誤を重ね生み出したもの」としているんだとか。さらに、「味噌」という点では糀づくり・温度管理・ブレンド方法に徹底的にこだわり、無添加非加熱で仕上げた点からも「『クラフト』と呼ぶに相応しい」という。

「『CRAFT MISO 生糀』は、弊社が誇る熟練の蔵人が徹底的に試行錯誤を重ねて開発しました。この“こだわりの技”である点から『クラフト』を名乗るに相応しいと考え、『CRAFT MISO 生糀』と名付けました。また、近年よく見聞きする『クラフトビール』『クラフトコーラ』といった商品もこだわりの製法から出る、その香りが特徴的です。当社の『CRAFT MISO 生糀』は従来の味噌とは違い、全く新しいフルーティーな香りが特徴でもあります。こういった点も鑑みて、『クラフト』を冠することにしました」

また、従来の味噌とは違う商品として「CRAFT MISO 生糀」を売り出している理由を聞くと、「現代の多様化するライフスタイルに呼応する狙いもある」と話す。

「味噌の使用用途は『味噌汁』に限定されがちですが、弊社では『もっと広く楽しんでいただきたい』と、さまざまな商品を開発してきました。特に『CRAFT MISO 生糀』は、弊社の新製法となる『Cozy糀ブレンド製法』により、香りだけでなく、これまでの味噌とは異なる味わいと食感を実現しました」

この「Cozy糀ブレンド製法」とは、一般的な味噌作りよりもたっぷりと糀を使い、2倍以上の工程を要するものだそうだ。この製法で甘味を最大限に引き出し、フレッシュでフルーティーな味わい、そしてジューシーとすら感じる食感を実現するに至った。

「そのまま食べてもおいしく味噌を摂れるようにしました。普段、あまり味噌を食べる機会がない方や、味噌を味噌汁でしか使わない方たちに、まずは野菜につけるなど“そのまま食べる味噌”として味わっていただきたいです。バゲットの上にクリームチーズと一緒にトッピングする『みそチーズバゲット』などもおすすめです』

■生活に新たな潤いを与えてくれる「クラフト」商品
筆者が実際に『CRAFT MISO 生糀』のパッケージを開けてみると、見た目こそ従来の味噌と変わりなく見えるが、その香りや味わいは実に繊細。口にしてみると、たしかに従来の味噌とは異なるほどフルーティーで、そのままでもおいしく味わえるものだった。これまでの味噌は、どこか慎ましくも感じる“和の食材”という先入観があったが、さらにそのシーンを広げる可能性を感じた。

最後に担当者は、「ひかり味噌ではこの『CRAFT MISO 生糀』だけでなく、これからも味噌や発酵素材を使った『クラフト』商品を展開していきたい」と語る。

「弊社の別ブランドでは、大豆ではなく小豆、青えんどう豆、ひよこ豆を、味噌のように発酵させた商品や、味噌を原料に用いたジェラートやリエットなどの商品もあります。今後も『CRAFT MISO 生糀』だけでなく、従来の製法や用途から進化させたこだわりの『クラフト』商品を開発していきたいと思っています」

なお、2023年のゴールデンウィーク期間中、『CRAFT MISO 生糀』は全国80カ所のオートキャンプ場で計8000個の無料サンプル配布を行っている。また、ブランドサイトではその味わい方も発信。

熟練技がより光る「クラフト」商品。まだ目新しいものというイメージはあるが、人々の生活をより豊かにしてくれるひと品だと感じた。

取材・文=松田義人

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