
猫のコタツや妻のイクヨはん、亀のヨシオ、金魚のキンちゃんと仲良く暮らしている大塚くんは、漫画やイラストを描いたりしている“猫バカおじさん”――。「猫のコタツと大塚くん」は、温かい家族の日常を描いたエッセイ漫画だ。
ギスギスしがちなこんな時世にこそより光る、“ゆるゆる”なタッチとストーリーの持つぬくもりに心がなごむ。そんな魅力いっぱいの同作から今回は、人類で初めて猫と一緒に暮らし始めたと言われる古代エジプト人に思いを馳せる(!?)エピソードをご紹介。何千年も昔に、猫はどんな風に人間と暮らしていたのだろうか。
ーー 今回、このエピソードを題材に選んだ理由を教えてください。
【大塚さん】“僕”と愛猫の“コタツ”の間柄を、もっと言うと“人間”と“猫”についてをボーッと考えていたら、いつのまにか古代エジプトまで思考が飛びました(笑)。この作品は自称“ファンタジーエッセイ漫画”なので、日常を描きながら時々こういったファンタジー要素を入れることもあるんです。自分自身、ファンタジー作品を描くのはすごく楽しいですし、今回の話もとても気に入っています!
ーー 作中で紹介されていましたが、人間が何千年も前から猫と一緒に暮らしてきたのは、どんな理由からだと思いますか?
【大塚さん】猫はネズミを捕ってくれるから、という説もあるようですが…。猫は犬のように人間の言うことを聞いてくれるわけではないので、本当に役に立つのか疑問ですよね。1番の理由はズバリ単純に「かわいかったから!」で間違いないと僕は思います(笑)。
ーー もし大塚さんが古代エジプト人だったら、どんな風にコタツと過ごしていたと思いますか?
【大塚さん】今回作中に登場したキャラクター、王様気取りの古代エジプト人“ツカンオーメン”のように…というか現在の僕と同じように、コタツの奴隷として(?)仲良く暮らしていたのではないでしょうか。有名なギザの大スフィンクスは顔が人間で体がライオンですが、“猫バカおじさん”である僕がもし古代エジプトの王様だったら、自分と猫が合体した石像を作らせると思います(笑)。
ーー もしかして、エジプト神話の太陽神“ラー”と”ニャー”をかけていますか?
【大塚さん】気づきましたか!と言いたいところですが、そこはまったく考えていませんでした(笑)。でも、神様つながりで言うと、エジプト神話に登場する猫の神様“バステト”の雰囲気は少し意識して、今作に出てくる古代エジプト猫を描きました。しかしバステトは女神で、コタツはオスなんですよね…まぁいいか(笑)。その辺りも注目して漫画を読んでいただけたらうれしいです。
ーー ありがとうございました。
取材・文=前田智恵美/取材協力=大塚くん(Twitter:@KotatsuNekono)