熊本県北部の山鹿市は、古くから温泉・宿場町として栄え、今でも、山鹿温泉をはじめ、熊入温泉、平山温泉、菊鹿温泉、鹿本温泉といった温泉があり、多くの温泉旅館や立ち寄り湯などが点在する地域。また、夏に開催される「山鹿灯籠まつり」は、九州屈指の夏の風物詩としても知られている。
そんな山鹿市で、山鹿温泉のシンボルとして市民に愛されている「さくら湯」が、2022年に150周年を迎えた。「山鹿市の新名物を生み出したい」という思いから、「さくら湯」にちなんだ料理やスイーツのグルメフェス「さくら湯 うまいものフェス」が11月に開催され、山鹿市の20の飲食店が桜色をしたスイーツや、「桜肉」といわれる馬肉を使った料理など、「さくら」にちなんだグルメを出品。来場者の投票でグランプリが決まるコンテストが開催された。
見事、グランプリに輝いたのは、「味処 与し吉(山鹿市山鹿)」の「さくら色ローストビーフやまが和牛の俵おにぎり」。
イベント主催者の坂本功さんは次のように語っている。
「今回のイベントは、山鹿市内で飲食店を運営している事業者がテーマに沿った商品開発を行い販売会をまとまって行なうことで、俗に言うテキ屋さんの出店とは一味違う商品をラインナップできたと思いますし、来場者にとっても、この地域には珍しいイベントとして受け入れてもらえたのではないかと思います。出店者も投票により評価を得ることで、緊張感とともにステータスを感じてもらえたのではないでしょうか」
「本事業は山鹿市で事業展開を行なっているあらゆるジャンルの事業者がひとつとなり、市県外の方々を対象として、一括したPRを兼ねた販売会につなげていくきっかけとなるようにとの考察をもって開催しました。今後は、今回の事業検証を行いステップアップした形で来年も開催したいと思います。そして近い将来、本事業が山鹿市産業祭として事業展開していけるように取り組んでいきます」
温泉と灯籠の街として知られる熊本県・山鹿。その、新名物誕生へのチャレンジにも注目だ。