猫のコタツや妻のイクヨはん、亀のヨシオ、金魚のキンちゃんと仲良く暮らしている大塚くんは、漫画やイラストを描いたりしている“猫バカおじさん”――。「猫のコタツと大塚くん」は、温かい家族の日常を描いたエッセイ漫画だ。
ギスギスしがちなこんな時世にこそより光る、“ゆるゆる”なタッチとストーリーの持つぬくもりに心がなごむ。そんな魅力いっぱいの同作から今回は、13年間一緒に過ごした愛猫コタツへの愛にあふれたエピソードをご紹介。寒い冬、暖房をつけなくても猫が心を温めてくれる…かも!?
ーー 今回、このエピソードを題材に選んだ理由を教えてください。
【大塚さん】先日、今僕が住んでいる岐阜県の自宅で、コタツと一緒に初雪を見ました。その時ふと、「コタツと出会ったのもこの時期だったなぁ」と思い出したんです。それは13年前の本格的な冬が始まる少し前のことでした。年末ということもあり、今年1年間とコタツと過ごした13年間を振り返りながら感謝を伝えたくなって、こんな話を描いてみました。
ーー コタツとの出会いから名付けまでのエピソードを教えてください。
【大塚さん】僕たち夫婦は当時、長野県で暮らしていました。その頃住んでいたのは年季の入った平屋でとても寒く、妻のイクヨはんが「炬燵が欲しい、炬燵が欲しい」と毎日念仏のように唱えていました。そんな時期に、友人が子猫を保護して、飼ってくれる人を探していると聞きました。
イクヨはんは子猫を引き取りたいと言ったのですが、当初僕は反対していました。というのも住んでいた家がペット不可物件だったので、猫を飼うのは現実的ではないと考えていたんです。でも、その友人が保護した子猫をひと目見てから、僕もその子猫のことが頭から離れなくなって…。
ある日、軽い気持ちでイクヨはんに「子猫の名前は決めてあるの?」と聞いたら、「コタツ!」と即答されて。その名前に僕は何故かピンときて、子猫を引き取ることを決意したんです。
ーー それから13年間、住居に合わせて炬燵だけでなくエアコン、ガスストーブとさまざまな暖房器具を使ってきたと作中にありました。ちなみにコタツはどの暖房が一番お気に入りだったと思いますか?
【大塚さん】やっぱり、その名の通りの“炬燵”ですかね(笑)。コタツは炬燵使いの天才(!?)で、炬燵の布団から顔だけ出して上手に温まっていました。今住んでいる家では炬燵を使っていないのですが、いつかまたコタツと炬燵で丸くなりたいです。
ーー 最後に、猫との暮らす中で暖房器具を使う際に気をつけていることがあれば教えてください。
【大塚さん】今回の漫画で描いた通り、今メインで使用している暖房器具はガスストーブで、すぐ部屋が温まるので個人的には”最強の暖房器具”だと思っています。でも我が家はプロパンガスで特にガス代が高いので、エアコンを併用して、特に寒い日だけガスストーブを使うようにしています。それなのにコタツは「ここに乗っかると暖かい風が出る」と気付いたらしく、ガスストーブのスイッチを勝手に押すんです…(笑)。なのでガスストーブのボタンをロックする機能を忘れないようにしています。
それとガスストーブをつけた時、コタツとストーブの距離が近すぎるので、いつも「近い!近い!」と注意しているのですが…無視されてしまうので困っています(笑)。
ーー ありがとうございました。
取材・文=前田智恵美/取材協力=大塚くん(Twitter:@KotatsuNekono)