サイト内
ウェブ

「マッドサイエンティスト」ならぬ「真っ当」サイエンティスト 王道をズラした短編漫画の発想力に「一本取られた」

  • 2022年10月1日
  • Walkerplus

常人には理解できない研究をしていたり、常軌を逸した狂気に囚われた「マッドサイエンティスト」と言えば、SFをはじめフィクションの定番キャラクター。そんなマッドサイエンティストが実は“マッド”ではなく“真っ当”だったら?王道をジョークでずらしたイラスト連作漫画の発想と展開に「これ、大好き」「いい人すぎ」とTwitter上で話題を呼んでいる。

■絵面とテンションはマッド、でも人格の真っ当さとの落差に爆笑
作者は、コミックヴァルキリーで『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』を連載する漫画家の赤信号わたる(@GoAkashin)さん。赤信号さんは商業連載のかたわら、SNSや個人の電子書籍でも人気を博しており、9月に投稿した「マットゥサイエンティスト」にも1万6000件を超えるいいねがつくなど反響が集まっている。

「クハハハハ!」と高笑いとともに、目覚めたばかりの異形の怪物に言葉をかける白衣の女性。顔には縫合跡があり、ボサボサに伸びた髪に見開いた目と、見かけやテンションはまさに思い描くマッドサイエンティスト像そのもの。だが、「すぐ楽にしてやる!」と女性が取り出した薬の効果は「元の人間に戻る」もの。「家族の待つ家に帰ってせいぜい日常を噛みしめるといい!」と、マッドと思いきやあまりにも真っ当かつ親切な言葉をかけるのだった。

同作は印象的なシーンを1ページずつ切り抜くような形式で続き、「全てを跡形もなく破壊し尽くす」究極のロボを発明したかと思えば、次のシーンでは“究極のゴミ処理ロボ”が全てのゴミを燃やし尽くしていたりと、マッドなテンションはそのままに息継ぎなしに怒涛のギャグが展開。しかも1ページずつオチがついたコメディとして楽しめるだけでなく、ゴミ捨て場で赤ん坊を見つけ、“治療薬の実験台”として連れ帰って――と、ストーリーを持った連作としても描かれている。

■ギャグだけに終わらない、キャラの魅力惹きたてるストーリーとの二段重ね
「狂ってる様に見えて誰よりも真っ当」「真っ当ってより聖人だろ」「これは一本取られた」と、そのキャラクター性がツボにはまった人が続出した一方、ギャグと並行してあふれる人間の温かさあふれる物語に「優しい」「心が震えました」と染み入る声が寄せられた短編漫画。赤信号さんがAmazon Kindleの電子書籍として無料公開中の「赤信号わたるの漫画交差点【短編集】」に収録されている一作だ。

作者の赤信号さんによれば、本作のアイデアは「創作に出てくる科学者の多くが“天才だけど道徳心を欠いている”キャラが多いように感じた」のがきっかけ。「逆に真っ当な科学者を描いたら面白くなるのでは?ん?真っ当…マットウ…マッド!無理矢理ダジャレにできる!」と連想して練り上げていったという。

もともとは1ページのみの単発作品になるつもりだったとのことで、「赤ちゃんと出会う話辺りから、自分の予想を超えて勝手に話が進み始めました」と話す。

「非常事態に直面した時の“真っ当な行動”とはなにか。正式な病院に受け渡さず自分で治療することの是非について彼女も一瞬迷ったはずですが、でもそうしないと間に合わない状況なら?また、治療が終わった後に正式な手続きを自分でそのまま育ててしまうのも現実的に考えたら違うのでは?など、ギャグ漫画のつもりだったのに『真っ当とはなにか』を考えざるを得なくて、思った以上に真剣に悩む羽目になり……。それがストーリーを勝手に作っていきました」と作者の予想をも超えて作品が膨らんでいったそう。

その一方で、読者から「どこが真っ当なんだと批判を受ける可能性も」と、アイデアと劇中の描かれ方との整合性に注意を払ったという舞台裏も教えてくれた。

取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2022 KADOKAWA. All Rights Reserved.