自身が主人公のエッセイ漫画をTwitterに投稿している、をぎくぼ虫(@wogikubomushi)さん。当初は、身近に起きるおもしろい出来事を友達に伝えるために描いていた漫画だったが、髭にもじゃもじゃ頭という見た目も中身も濃いめなキャラクターがウケて、徐々にTwitterで注目されるように。今回は、そんなをぎくぼ虫さんが描いた、2011年3月11日に発生した東日本大震災の実体験漫画を紹介したい。
当時プールの監視員をしていた、をぎくぼ虫さん。14時半過ぎ、いつものように50メートルプールの監視業務についていたその時!天井や窓ガラスから聞こえてくる「ガタガタ」という音、ふらつく体、波打っているような床に、ようやく地震と気づいたという。
次に目にしたのは、普通のプールが波打ち、水が溢れ出ている光景。上司の指示のもと、お客さんを急いで水から上げたが、なかには溺れかけている人もいて、地震発生時のプールがとても危険だと思い知ったという。
「室内プールは採光のため窓ガラスが多く、一時避難場所に気を遣う」「停電で真っ暗なので安全確認に時間がかかる」など、この経験から学んだことをまとめた内容が、防災を考えるうえでとても役立つ内容となっている。
その後、お客さんの避難誘導や片付けなどが全て終わってバイクで帰ろうとしたとき、停電で信号がついていないことに気づき、さらに愕然としたという経験もリアルだ。
をぎくぼ虫さんは、被災経験から現在のコロナ禍についても「この時の気持ちを大事にしつつ、変わっていくことも少しずつでも受け入れていかなければ」と語る。
災害時のさまざまな経験談を知ることも、防災意識を高めるために大切なことだ。紹介した漫画のように地震発生時にプールにいた場合は、まずは係員の指示に従おう。プールの中の水は波打ち、プールサイドも水が溢れて滑りやすいため、慌てないことが第一だ。そして、むやみに更衣室へ衣類を取りに行くのも危険。衣服を着ておらず、靴も靴下も履いていない状態なので、割れたガラスなどが飛び散っている可能性もあるため、係員が安全確認を行ってくれるのを待とう。もちろん、施設により対応や対策は異なるので、普段よく利用している施設がある場合は、災害時のマニュアルや避難経路を確認しておくことが大切だ。忘れてはならない日に、をぎくぼ虫さんの震災体験漫画を読んで、この機会に防災について再度確認をしてみよう。
画像提供:をぎくぼ虫(@wogikubomushi)