舞台「鬼滅の刃」の竈門炭治郎役や「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageの爆豪勝己役など、人気作品に多数出演している俳優の小林亮太が都内近郊のグルメバーガー店をナビゲート。食レポはもちろん、ハンバーガー好きの目線で取材したおいしさの秘密をお届けする。
今回、小林が訪れたのは、東京・四谷にある「CRUZ BURGERS & CRAFT BEERS(クルズバーガーズ アンド クラフトビア)」(以下、「クルズバーガー」)。「スパイシープルドポーク」(1705円)を紹介する。
■アメリカンカルチャーへのこだわりから「プルドポーク」を提供
「クルズバーガー」は、本郷三丁目にある有名店「ファイヤーハウス」で修行を積んだ野本真希さんが2016年に開業した。アメリカンカルチャー好きが高じて、店名は音楽レーベルの「CRUZ RECORDS(クルズ レコーズ)」から命名。グルメバーガーとクラフトビールが楽しめるお店にしたという。IPAとラガーを中心としたラインナップで、クラフトビール目当てで訪れる客も多いそうだ。
以前、プライベートで来店した際にフラッグシップでもある人気メニュー「ベーコン・チーズバーガー」(1485円)を食べたという小林は、「せっかくなので今回はほかのグルメバーガー店ではあまり見かけない、プルドポークを使ったバーガーを食べてみたいなと思っています」と、「スパイシープルドポーク」をオーダー。
プルドポークとは、豚の肩肉を低温で柔らかく調理し、細かくほぐしてソースと和えた料理。そもそも、なぜこれをメニューに入れようと思ったのか、小林が尋ねてみると…。
野本さんは「アメリカンなビアバーに行くと、バーベキュー料理を出しているお店が多いんです。2大バーベキュー料理と呼ばれるプルドポークとブリスケット(牛肩ばら肉のグリル料理)があるのですが、牛だとパティと被るため、プルドポークをやってみることにしました」と教えてくれた。
「クラフトビールとハンバーガーの2本柱をしっかりと両立しているんですね」と小林。さらにパティのこだわりについてもチェック!
■溶岩石でふっくらプリッと焼き上げるパティ
「クルズバーガー」では、パティを溶岩石グリルで焼いている。「ソーセージとハラミステーキの間くらいのプリッと感があるパティにしたくて、遠赤外線でふっくらと焼ける溶岩石に辿りつきました」と野本さん。
まったく同じ部位の肉を使ったとしても、パティの作り方、カットの仕方、火の入れ方で、店によって仕上がりはかなり異なるという。
それを聞いた小林が、「オリジナルのバーガーを作ろうと思ったら、肉の選び方から調理工程まで、すべてにおいてどうしたらいいか悩みますね」とつぶやくと、野本さんは「どういうバーガーにしたいか、ゴールを決めて逆算していくと作りやすいと思いますよ」とアドバイスをくれた。
■ビールとも相性◎「スパイシープルドポーク」を実食!
同店ではクラフトビールも看板商品なので、「スパイシープルドポーク」に合うビールもおすすめしてもらった。5種類のクラフトビールから、野本さんがチョイスした「シーフードアンドダンス」( S 880円 / L 1265円)をお供に、バーガーをいただく。
「クルズバーガー」のバンズには、クラウン(上のバンズ)にマヨネーズを薄く、ヒール(下のバンズ)にサウザンアイランドソースが塗られている。
「サウザンアイランドを塗ってるのって珍しいですよね」と小林がコメントすると、「タルタルソースに寄せているので、そこまでサウザン感はないと思いますが、少しスパイシーにすることで味のつなぎにしています」と野本さん。
そんなバンズに、パティとゴーダチーズ、ハラペーニョ、プルドポーク、キャベツとニンジンのコールスローをサンドした「スパイシープルドポーク」。「ゴーダチーズの主張しすぎない感じがいいなと思って、最近ハマってます」と小林の期待も高まる。さて、そのお味は?
「甘辛く味付けしたプルドポークがパティと合わさって、うまみが倍増している感じがします!辛めの味付けだから苦味の強い『シーフードアンドダンス』との相性も抜群。これはビールが進んじゃいますね」とニッコリ。
野本さんによると「ハラペーニョを乾燥させて燻製にした“チポトレ”という香辛料をトマトペーストに漬け込んだ、メキシコではメジャーな“アドボ”というソースをベースにしています。しっかりトマトを使っているので、ソリッドな辛さではなく旨辛な感じの味になっていると思います」とのこと。
「キャベツとニンジンのコールスローは食感のアクセントだけでなく、上の方に入っているのでビネガーの香りが抜けてさわやか。数あるチーズの中からゴーダチーズを選んでいるのもわかります。辛さを優しさで包み込んで全体をまとめてくれている感じです」(小林)
■憧れの本多劇場でミュージカルに出演中!
最後に、現在下北沢・本多劇場にて上演中のミュージカル「HOPE」についても聞いた。韓国芸術総合学校の卒業制作として生まれ、韓国で大ヒットした本作。日本版初演となる今回は、俳優・新納慎也が演出家デビューを果たし、高橋恵子がミュージカル初主演を務める。小林は、高橋演じるホープに寄り添う青年・Kを永田崇人とのWキャストで演じている。
「本格ミュージカルは初めてなのですが、演出の新納さんは役者目線でも演出されるので、これまでやらせていただいた作品とはまた違う感覚がありました。それに、高橋恵子さんをはじめ、名だたるミュージカルのステージに立たれている方も多く、日々勉強させてもらっています。
あと、Wキャストなので、同じ役をほかの役者が演じているのを観たこともひとつの経験になりました。新納さんが『役者が心を動かして、やっとお客様が心を動かされる』ということをおっしゃっていたんですが、本当に何回演じても僕らは心を動かされます。それは脚本の良さであり、音楽の素晴らしさであり、役者の力でもあると思います。
コロナ禍でエンタメは不要不急だと言われていたけれど、生で舞台を見て心を動かすことも生きていくうえで必要なことだと思うんです。だから、『HOPE』もこの後に控えている舞台も、できることなら劇場で観てもらいたいという気持ちです。
本作はファンタジー要素がある作品ですが、ユダヤの歴史が背景にあったり、実際に起こった裁判がモチーフになっている作品でもあり、いろいろなことを感じてもらえると思います。劇場には来られないという方も、僕の千秋楽となる16日にストリーミング配信があるので、ぜひ観ていただけたらうれしいです」(小林)
■「スパイシープルドポーク」は期間限定メニュー
今回紹介した「スパイシープルドポーク」は期間限定(終了日未定)で、新メニューと入れ替わる形で販売終了するとのことなので、気になる人はお早めに。また、クラフトビールも随時入れ替わっている。
※感染症対策万全のうえ、店舗の了承を得て撮影時のみマスクを外しています。
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※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
ヘアメイク=平林輝之
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美