ミュージカル『テニスの王子様』やミュージカル『刀剣乱舞』といった2.5次元舞台で脚光を浴び、2019年に名作ミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に最年少で抜擢。さらには2022年2月から上演の舞台『千と千尋の神隠し』でハク役を演じることが発表され、大きな注目を集める俳優・三浦宏規。そんなミュージカル界の若きスターの素顔や役者人生に迫る。
■役者としての目標を決めちゃうのはもったいない
――ミュージカル『レ・ミゼラブル』では最年少でマリウスを演じたり、ミュージカル『刀剣乱舞』の髭切として文化庁主催の『日本博』でパフォーマンスされたりと、新たな道を切り開いている三浦さんですが、これまでの役者人生を振り返っていかがですか?
まだ振り返れるほどのキャリアじゃないというのが本音です。自分がさいたまスーパーアリーナで歓声を浴びながら歌ったり、NHK紅白歌合戦に出場したりと、昔の自分が想像できないような体験をさせてもらっているなとは思います。とにかく、こうやって役者で食べていくことができたのが何より幸せですね。この道でやっていくと決めたときから、なんとかなるだろうって漠然とした自信はあったんですが、本当にその通りになってよかったです。
――では、役者としての展望はありますか?
正直、明確な目標はないですね。今まで、オーディションがあると聞いたら挑戦して、興味があるお話をいただいたら出演させていただいて……という感じで、流れに身をまかせてきたんです。そうやって素敵な作品に出会うことができたので、「この作品に出たい」「この役をやりたい」って決めちゃうのがもったいない気がして。今後、目標ができることもあるかもしれませんが、今のところは次の作品に備えて精一杯やるだけですね。それをクリアして初めて見えてくるものがあると思うので。
――最近は、ミュージカル俳優の方がテレビドラマなどでも活躍されていますが、映像作品への興味はいかがでしょう
そうですね、あまりにも未知の世界なので…。あとは、朝が早いイメージがあるので、ちょっと不安ですね(笑)。チャンスがあれば飛び込んでみたいとは思うんですが、やっぱり舞台が好きなので、無理して挑戦したいとは考えていません。
――さまざまな舞台に引っ張りだこな三浦さんですが、2.5次元作品に出続けてほしいというファンの方もいらっしゃるのでは?
ファンの方々からすると、好きなスタイルがあるとは思うんですが、やっている僕からすると「2.5次元はこうで、グランドミュージカルはこう」というような考えはないんです。どちらにしても、自分のやることはそう変わらないと思っているので。だから「もうこのジャンルはやらない」なんて全然思わないし、お話をいただいたら今後もやらせていただくつもりなので、そこは安心してください(笑)!
――最後に、数多くの舞台に立たれていますが、オフの日はどのように過ごしていますか?
休みの日はもともと外に出ないタイプなんですが、最近は家でトレーニングをして過ごすことが多いですね。去年までは1日中だらだら過ごしていたんですけど(笑)。最近は歌がメインで体をあまり動かさない舞台が続いているんです。でも、小さいころからバレエをしてきた人間ですし、ある程度は体を動かしたほうが調子がいいなと気づいて。ジムなどに通う方法もありますが、「場所が変わっても結局やるのは自分だし」と思っちゃうタイプなので、とりあえず自宅でトレーニングしています(笑)。
秋にも主演舞台を控える三浦。2.5次元舞台からグランドミュージカルまで、話題作に続々と出演する舞台俳優・三浦から目が離せない。
みうら・ひろき●1999年3月24日生まれ、三重県出身。5歳からクラシックバレエを習い、15歳から芸能活動をスタートさせる。ミュージカル『刀剣乱舞』などの2.5次元舞台をはじめ、ミュージカル『レ・ミゼラブル』にも出演。秋には『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『グリース』で主演を務める。2022年には舞台『千と千尋の神隠し』にハク役で出演する。