読者から寄せられる実体験をもとに、ホラーから感動作まで幅広い作品をInstagramやブログに投稿している漫画家のババレオさん。これまでウォーカープラスで紹介した際には、ユーザーから「夜眠れなくなる」や「考察してしまう」といったコメントが殺到するなど、大きな反響を呼んでいた。
さらなるババレオ作品の魅力や創作秘話などを紹介する連載を2021年3月からスタート。第3回となる今回は、ババレオさんにとって思い入れが強い5作品を紹介する。背筋が凍るような恐怖作品はもちろん、怖くて切ない作品まで、ババレオさんの解説と共にご紹介!
■本当に怖いので要注意。「鏡が割れたその日から不思議な事が起きました」
ババレオ作品の真骨頂である究極のホラー作品。ババレオさん自身も、「読者の方をめちゃくちゃ怖がらせたい一心で、とにかくストーリー展開や作画に力を入れました」と話すほど。
実はこの作品、読者の方から投稿された時点では1つの物語ではなく、エピソードの羅列だったとか。それをババレオさんが1本のストーリーになるように、また恐怖をかき立てるように構成をまとめたそう。
■亡くなった弟を思う気持ちが奇跡を起こす! 「帰ってきた弟」
突然、亡くしてしまった最愛の弟。その後、お姉さんは心の中で思い続けていた弟と不思議な形で再会を果たす感動作。
「投稿されたお話を読んだとき、とても短いエピソードだったのですが、『このすばらしさを読者に伝えたい』という思いで描きました」
■いつまでも変わらない夫婦の形。「とある常連夫婦の話」
喫茶店で出会った、とある常連夫婦のお話。ババレオ作品の象徴の1つでもある感動作品だ。
「ホラーではない、この切ない物語をどのように表現しようとかと、何度も描き直しました。正直、でき上がった時はそれほど手応えを感じなかったのですが、投稿した後は予想を上回る反響をいただけた作品です」それだけ力を注いで描いた作品は、短いながらも夫婦の愛がギュッと凝縮され、切ない魅力が伝わってくる。
■亡くなった親友との絆が命を救う…「白血病の親友」
「友情という絆が、奇跡を起こす物語です。投稿者の方は、親友が亡くなったことをきっかけに医学の道を進むことを決め、無事に医療関係の学校に合格されたそうです。その話を聞いたときは自分のことのようにうれしかったですね」とババレオさん。
親友の死から巻き起こる不思議な出来事は、今も投稿者のまわりで起こっているという。ババレオさんは、続編を描く準備を進めているそうだ。
■震災で起こった実話。「パパがいなくなった日」
多くの人にとって、深く悲しい出来事となった東日本大震災。被災者である読者から届いたのは、亡くなった父親への思いと自身が成長していくストーリーだった。
「自分自身が震災経験者ではないので、描くのは難しそうだなと思っていました。ただ、ずっと心に引っかかるものがあり、少しずつ『この話を描くことで何かしらの思いを伝えられたら』と思うようになり作品化に取り組みました。作品公開後にたくさんの温かいメッセージをいただけたので、『描いて本当に良かった』と思いましたね」この作品を描いて以来、ババレオさん自身も震災について深く向き合うことができたという、印象深い作品だとか。
次回は、夏に向けてババレオさんが自信を持っておすすめする、とっておきのホラー作品を紹介する予定。乞うご期待!
取材・文=橋本未来