サントリーは、発売30周年を迎える「サントリー天然水」の新テレビCMシリーズを展開。ヒロインに女優の石橋静河を起用した、爽やかで力強い新CM「雨あがる」篇(30秒)を、4月5日から全国でオンエアしている。
CMでは、「大自然よ、ぼくたちのピュアな部分になってくれ。」というキャッチフレーズを用い、同製品が人の営み(生きること)に寄り添う大事な存在であることをアピール。石橋は、この「ピュア」という言葉に合わせ、“痛みを知り、強さと優しさを兼ね備えた主人公”を演じられる表現者として起用された。
石橋が演じるのは、勤めていた東京の会社を辞め、自然豊かなアルプスの麓に引っ越してきた20代後半の女性という役どころ。ある雨の日、傘も差さず一人、自分の内なる声に耳を傾けて、気持ちに正直に走っていたら、いつの間にか雨がやみ、水の山を感じる場所へとたどり着く…という内容だ。
雲の切れ間から太陽の光が差し込む美しい水の山に向かって、「よろしくお願いします」と挨拶し、「サントリー天然水」でのどを潤す石橋。目の前に広がる大自然の雄大な景色に臆することなく、全身で向き合っていく現代のヒロインの物語がアルプスの大地から始まる。音楽は、シンガーソングライター・折坂悠太の、生命力を感じさせる楽曲『さびしさ』を起用。
天然水ブランドの30周年を記念し、日経BP総合研究所の上席研究員で日経MJで連載も持つ品田英雄氏は、以下の特別コラム「30年間の天然水テレビCMに見る 時代に合わせて変化する『ピュア』」を寄稿している。(以下、引用)
<1991年に初代テレビCM となる「『世間の水より南アルプスの天然水』 少女篇」が放映されました。私もこのテレビCMを観ていましたが、南アルプスの雄大な美しさに魅力を感じると共に、衝撃を受けたことを覚えています。なぜなら当時はバブル経済がピークを迎え、日本中が元気で、新しい時代に変わる高揚感に包まれていました。また、都会で働き、格好良いマンションで暮らし、仕事をし、恋愛をするトレンディドラマが大ヒットした時代だったからです。東京での都会暮らしこそが、カッコいいものの象徴でした。
そんな中、自然豊かな南アルプスの山々、そこでのびのびと生活する少女の姿が、天然水テレビCMで描かれていました。それが当時の「ピュア」の象徴であり「清々しさ」「美しさ」を物語っていたように思います。また、このテレビCMでは、南アルプスを離れて東京に転校する学生が描かれています。「会えるかな、また」「東京行ってもこの山の水飲めるといいね」といったセリフから、東京は憧れの地でありながら、同時になにかを手放す場所でもあったのかもしれません。
これまでの約30年を振り返ると、初期の頃は、若く、その瞬間ならではの美しさを「ピュア」と表現していたような印象を受けます。そして近年では、年齢に関わらず、自分の気持ちに正直に、自分で選択する素直さを「ピュア」と表現するよう変化してきたように感じています。今回の新テレビCM「『雨あがる』篇」では、会社を辞め、都会を離れる選択をする女性、またそんな生き方も応援したいと感じる周囲の人達が登場します。Withコロナの時代には、ワーケーションや二拠点生活のように、都心と地方を行き来する生活スタイルも注目されていますし、都心からの移住を選択する人も増えてきました。自分自身で生き方を決め、行動できる潔さ。現代において「ピュア」とはとても強いものになったようです。うらやましくもあり、少しまぶしくもあります。>
CMでは、力強さも感じさせる“ピュア”な現代のヒロインを熱演する石橋の表情や美しい映像、印象的な楽曲に注目したい。