女優の上白石萌歌が、「劇場版ポケットモンスター ココ」(12月25日より全国東宝系にて公開)にゲスト声優として出演する。演じるのは、人里離れたポケモンの楽園「オコヤの森」で、幻のポケモン・ザルードに育てられた少年ココ。自分のことをポケモンだと信じて疑わないココだったが、サトシとピカチュウに出会い、自らの存在に疑問を持ち始めるというストーリーだ。
コロナ禍でテイクアウトグルメの魅力に改めて気づかされたという彼女に、話題の新店のメニューを味わってもらった感想とともに、作品への想いを語ってもらった!
■誰かとおいしさを共有できる幸せを改めて実感した
――普段、飲食店はどうやって探していますか?好きな料理やジャンルも教えてください。
【上白石萌歌】グルメサイトで探すことが多いですね。ジャンルとしては、これまではイタリアンや韓国料理が好きだったんですけど、最近のお気に入りは和食。特にそばが好きです。そば店に通うようになってから、定食屋さんなどにも行くようになりました。いつかチャレンジしたいのはお寿司ですね。もっと大人になったら巡ってみたいなと思っています。
――コロナ禍、特に緊急事態宣言が出た折には外食が難しい状況だったと思いますが、当時のエピソードがあれば教えてください。
【上白石萌歌】なかなか行けなかった高級店がランチでテイクアウトを始めて、ちょっとお得な気分になりました。それと、自粛期間明けに初めて友人と会う時、広い公園にテイクアウトを持ち寄って集まったら、すごく新鮮で楽しかったんです。友達とおいしさを直接共有できる幸せも、改めて実感しました。
――今回、新店のテイクアウトグルメの感想を聞くために、2品を用意しました。まずは奥渋谷にある「サイダーノート」のベーグルサンドをどうぞ。
【上白石萌歌】おいしいっ!お店は「サイダーノート」っていうんですね。今度行ってみます!実はベーグル自体が大好きで、朝ご飯によく食べているんです。普段はサンドしてない普通のタイプのものが多いので、具材が入っているのは新感覚でした。生地ももちっと弾力があって、すごくおいしいです!
――次は、日比谷にオープンした「和菓子 楚々」のすあまを食べてみてください。
【上白石萌歌】和食だけでなく、和菓子も好きなんです。すあまは初めて食べましたが、見た目からしておしゃれでスタイリッシュですね。ほかのお菓子とは違う斬新なおいしさです。お茶はもちろん、紅茶などにもよく合いそう!
■「いずれ子供を持ったら、どんな親になりたいか」を考えさせられた
――「劇場版ポケットモンスター ココ」の見どころを教えてください。
【上白石萌歌】私が演じたココは、ポケモンに育てられた人間です。「血は繋がっていなくとも、親子は親子」というメッセージが込められた物語だと感じました。また、いま20歳の私が、いずれ子供を持つことになったら、親としてどんなことができるのか、どんな親になりたいのかということを、この作品を通して考え、学ぶことができました。観ていただく方にもきっと、同じように感じていただけるんじゃないかなと思います。
――上白石さんは、具体的にはどんな親になりたいと考えていますか?
【上白石萌歌】子供のやりたいことを一番に考えてあげられる親です。本人には絶対言わないですが(笑)、私は両親のことをすごく尊敬しています。ともに中学校の先生で、お堅いイメージがあるかもしれませんが、いろいろなことに挑戦させてもらいました。歌もそのひとつで、小さい頃から習わせてもらっていました。
何より、芸能界に娘2人を送り出すのは、親によれば「嫁に出すくらいの覚悟だった」そうです(笑)。リスクがあることだとはわかったうえで、それでも子供の意志や、やりたいことを優先してくれた親には心から感謝しています。だから、私も子供ができたら得意なことを伸ばしてあげたいし、やりたいことや本人の意志を一番に考えてあげたいと思っています。
■友達とは、道を逸れたときに気づかせてくれる存在だと思う
――ココは10歳の少年ですが、演じるうえで意識したポイントはありますか?
【上白石萌歌】私が演じていることを感じさせず、自然に楽しんでいただけるよう、いつもの自分の声とはなるべく違う声を出すようにと意識していました。とにかくパワフルで元気な10歳の少年ということで、がなり声を入れてみたりとか。でも、10歳ってまだ人として成熟する前の段階なので、どっちつかずな中性的な雰囲気も意識しました。
――ココと自身との共通点や、違うと感じたところはどこですか?
【上白石萌歌】共通点は、好奇心旺盛なところです。例えばココなら、見慣れないモノのにおいを嗅いでみたり、かじってみたり。警戒心を取り払って、物事を感覚的にとらえる部分は自分に近いと思います。違うところは、私はあんなに足が速くないですね(笑)。
――ココは作中でサトシと友達になりますが、上白石さんにとって友達とは?
【上白石萌歌】優しいだけではなく、私が道を逸れたときには、肩を叩いて軌道修正してくれるような存在だと思います。その意味でいうと、一人はやっぱり姉。姉妹ではあるんですが、同志であり親友なので、芸能界で一番仲が良い友達といえば、姉の上白石萌音です(笑)。
■関わっている人への感謝を胸に、出会いや繋がりを大切にしたい
――今年20歳を迎えましたが、ターニングポイントになった作品を教えてください。
【上白石萌歌】ドラマ「義母と娘のブルース」です。これまでで一番難しい役を演じたのですが、あの大変さがなければ今の自分はなかったと思います。実力の限界を知るとともに、「私ってこんな人間なんだ」と落ち込みもしました。でも、だからこそ壁を打ち破れましたし、この作品を通して私のことを知ってくださった方も多いと思うので、とても大切な作品です。
――演技に歌に、と多才なフィールドで活躍するなか、変わらず大切にしていることは何でしょうか。
【上白石萌歌】関わってくださっているたくさんの方々への感謝の気持ちです。どのお仕事も表現という意味では同一線上にありますが、それぞれに関わる方々がいるからこそ成り立っているというのは共通していて、自分だけでは作品にはなりません。なので、お会いする人たちを大事にしたいと思いますし、そういった繋がりも自分の中にしっかり刻んでいきたいと思います。
▶上白石萌歌(かみしらいしもか) 2000年2月28日生まれ。第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞してデビュー。女優業のほか、adieuとして音楽活動も行う。次回主演作は映画『子供はわかってあげない』。
▶サイダーノート 2020年3月15日、奥渋谷にオープン。イギリス伝統のサイダーをはじめ、スペインのシドラなど、国内外のリンゴ酒を樽生で約10種提供。チキン&チップスやスパイスカレーなど、個性の光る多国籍な料理が豊富にそろっている。
<住所:渋谷区神山町16-4 堀内ビル1F / TEL:03-6407-8848 / 時間:12:00~23:30(LO23:00) / 休み:不定 / 席:35席(禁煙) / 駐車場:なし / 交通アクセス:JRほか渋谷駅より徒歩10分>
▶和菓子 楚々 “気軽にサクッと日本を嗜もう。”をテーマに、2020年9月10日オープン。創業100年超の老舗の和菓子の味を基に、現代に通じる甘味や飲み物を提案。隣には姉妹店「そうめん そそそ 〜その先へ〜」がある。
<住所:千代田区内幸町1-7-1 日比谷OKUROJI G16 / TEL:03-6205-7174 / 時間:10:00~20:00、土日祝11:00~ / 休み:第1火曜 / 席:なし / 駐車場:なし / 交通アクセス:東京メトロ日比谷駅より徒歩6分>
取材・文=中山秀明
※本記事は、2020年12月17日(木)発行のフリーペーパー「東京ウォーカープラス」掲載の記事を再編集したものです。
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