京都・南座にてTVアニメ「鬼滅の刃」と歌舞伎のコラボ展示が、11月6日(金)から23日(祝)まで開催する。歌舞伎衣装を身にまとったキャラクターパネルや、実際の歌舞伎衣装を展示するほか、舞台上には特設フォトスポットも。ココでしか体験できない"鬼滅の刃×歌舞伎"の世界観を、ひと足先に体験してきた!
■鬼滅の刃×歌舞伎の世界の融合を楽しんで
鬼滅の刃と歌舞伎のコラボ展がいよいよスタートした。展覧会開幕に先駆け11月5日に行われたオープニングセレモニーでは、特別ゲストとして歌舞伎俳優・尾上松也さんが登場。今回の展示の魅力を語ってくれた。
「アニメのイチファンとして、歌舞伎との相性のよさは感じていました。その世界観と歌舞伎の演目を照らし合わせながら見ていただけたら、非常に楽しいと思います」と松也さん。「歌舞伎をあまりご存じない鬼滅ファンの皆さまにも、この展示をきっかけに興味を持っていただければうれしい」とも。
また、松竹の代表取締役社長は「この作品はとても表現が斬新で、観る方の心に刺さる。これはまさに歌舞伎でいうところの"かぶいている"表現そのものだと思う」と語った。
■キャラクターの個性に合わせた歌舞伎衣裳とパネルを展示
ロビーでは、アニメ本編を制作したufotableによる描き下ろしオリジナル歌舞伎衣裳イラストパネルと共に、実物の歌舞伎衣裳を展示。普段は目にする機会がめったにない、豪華絢爛な衣裳を間近で見ることができる。
炭治郎たち5人が扮するのは、平安時代の武将である源頼光と、四天王と呼ばれる彼の家臣、渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武の4人。歌舞伎ではもっぱら伝説的な武勇伝で語り継がれている存在だ。大江山に棲む酒呑童子(しゅてんどうじ)退治や、葛城山の土蜘(つちぐも)退治、渡辺綱と茨木童子の対決など、いずれも鬼や蜘蛛の化物を頼光と四天王が退治する話となっている。
さらに、柱たち人気キャラクターも歌舞伎の衣裳をまとって登場。衣裳だけでなく、物語や人物の背景がそれぞれのキャラクターの個性と通ずるように熟考を重ね、組み合わせが決められたものだ。演目の説明パネルも展示されているので、ぜひ読んでみてほしい。
■舞台上に上がれるレア体験!アニメの世界観を舞台装飾で表現
1階の舞台上には、アニメの世界観を舞台装飾で表現したフォトスポットを設置。今回は特別に花道を通り、舞台へ上がることができる。普段は俳優しか立つことのできない南座の舞台に立てるなんて、貴重すぎる!
舞台正面には炭治郎たち5人のパネル。彼らが扮する源頼光と四天王が登場する演目「蜘蛛の拍子舞」を表現した。蜘蛛の精が織り出す千筋の糸が赤や青、紫の照明に照らされて鮮やかに映え、まさに那田蜘蛛山に張り巡らされた蜘蛛の糸を思い起こさせる。
舞台の裏にまわると、柱たちのパネルが。歌舞伎の演目「藤娘」で実際に使われている藤の花の装飾と淡い藤色の照明によって、まるで藤襲山(ふじかさねやま)に迷い込んだような世界観が作り上げられている。
■描き下ろしイラストのオリジナルグッズも多数!
描き下ろしイラストを使用したコラボ限定グッズは、クリアファイルセットやフェイスタオルなど全10種をラインナップ。歌舞伎のイベントならではの歌舞伎揚はぜひゲットしたいところ。缶バッジやスタンドキーホルダーは何が当たるかわからないブラインド仕様となっている。
伝統芸能とアニメという、日本が世界に誇る2大エンターテインメントのコラボが、日本最古の歴史を持つ"歌舞伎発祥の地"京都・南座で実現した今回の展示。どこか格式高いイメージのある歌舞伎だが、家族愛や友情、絆など、描かれている内容は「鬼滅の刃」と共通項も多い。鬼滅の刃をきっかけにすることで、歌舞伎への興味も深まることだろう。
「鬼滅の刃」のアニメや漫画ファンに歌舞伎ファン、そのどちらも楽しめる内容となっているので、ぜひ足を運んでみてほしい。
取材・文=江口琴音(glass)
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable ©SHOCHIKU
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正式表記。
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