鮮魚店を営み、YouTuberとしても活躍中の「魚屋の森さん」こと森朝奈さん。その美しさと鮮やかな手つきで魚をさばく様が人気を博し、チャンネル登録者数も急増中だ。そんな森さんがおいしい魚の食べ方や、魚をさばくコツなどを教えてくれるのがこの連載「魚屋の森さん直伝レシピ」。
「今回のレシピは“秋サワラの揚げ出し”です。揚げ出し豆腐と合わせているので、ボリュームもありますよ」(森さん)
■脂がのったサワラを堪能するなら寒い時期がオススメ
「魚」へんに「春」と書いて「サワラ(鰆)」と読むことからもわかるように、一般的にサワラの旬は春だとされている。しかし実は、秋〜冬もサワラがおいしい季節!春のサワラよりも脂がのっていて、特に関東では「寒鰆」と呼ばれ重宝されている。
秋サワラの選び方
★切り身の場合:身が割れていない、身に透明感がある
★丸ごと買う場合:目が濁っていない、表面が虹色に光っている
「サワラは、衝撃に弱く身が割れやすい魚。一般的に魚は頭の位置を左側にして出荷されるのですが、サワラは、獲ってからできるだけ動かさないよう、頭の向きが逆のまま出荷されることもあるほど繊細なんですよ」(森さん)
■秋サワラの揚げ出しのレシピ
材料
サワラ 1切れ/豆腐 1丁/ししとう 1本/●酒 大さじ2杯/●醤油 大さじ1杯/だし汁 1.5カップ/◎みりん大さじ1杯/◎薄口醤油 小さじ1杯/◎酒 大さじ1杯/薄力粉・片栗粉 同量/大根おろし 大さじ3/ユズの皮 少々(あれば)
ポイント
★皮目に切り込みを入れて味が染み込みやすく
★大根おろしでみぞれ煮に
作り方
1.豆腐を4センチメートル角程度の大きさにカットし、キッチンペーパーに包んで水気を切る。ししとうのヘタを切り、半分の長さにカットする
2.サワラを3センチメートル幅程度の大きさに切る
3.皮目に切り込みを入れる
4.●の材料を混ぜて調味液を作り、サワラを10分ほど漬け込む
5.沸騰しただし汁に◎の材料を入れてひと煮立ちさせる
6.サワラを調味液から取り出し、キッチンペーパーで水気を取る
7.180度に熱した油でシシトウを素揚げし、油を切る
8.薄力粉と片栗粉を混ぜた粉をサワラに付けて揚げる。キツネ色になったら取り出し、油を切る
9.豆腐に粉に付けて揚げる。ひっくり返しながら、表面がカリッとするまで揚げ、油を切る
10.サワラと豆腐をだし汁に入れ、ひと煮立ちさせる
11.大根おろしを入れる
12.器に盛り付けて小口ネギを散らし、シシトウとユズの皮を飾り付けて完成!
■揚げた素材に、味がよく絡む!
揚げることで、サワラの皮の香ばしさも堪能できる本レシピ。みぞれ煮なので冷めにくく、肌寒い日にぴったりの一品だ。
「揚げ出しは、脂の少ない魚を調理する際にもオススメの方法ですよ。ユズの香りがおいしさを引き立てるので、ぜひ試してみてください」