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コロナ禍ならではの新時代マジックを。イリュージョニスト・HARAインタビュー

  • 2020年10月24日
  • Walkerplus

2009年ラスベガスで行われた世界大会「World Magic Seminar Teens contest」で日本人初のグランプリ受賞、2020年にはThe JAPAN CUP2020でマジシャンオブザイヤーを獲得するなど、現在世界で最も注目されるイリュージョニスト・HARA。

そんな彼の新たな公演「HARA”新感覚” Magic Show2020 ~Miracle~」が10月25日(日)に、大阪国際会議場メインホールで行われる。この公演は、世界中で流行している新型コロナウイルス感染症の影響も受けており、ソーシャルディスタンスやデジタルを意識したマジックの新時代になるものなのだという。

今回、イリュージョニストのHARAにインタビュー。公演での意気込み、またマジックにかける思いを聞いてみた。

■ソーシャルディスタンスを意識した「新感覚」イリュージョン

―まずは今回の公演「HARA”新感覚” Magic Show2020 ~Miracle~」について教えてください。

「これまでのマジックショーは客席に座って映画を見るように受け身でショーを見てもらう形でした。でも、今では新型コロナウイルスの影響でソーシャルディスタンスが言われています。僕が客席に降りることも、お客様に壇上に上がってもらうことが難しいので、世界初の試みでデジタルを使ったイリュージョンを披露しようと思っています。

例えば皆さんがお持ちのスマートフォンを使っての技です。僕の電話番号をスクリーンに映して、お客様にかけてもらい好きなトランプを指定してもらう。そして僕が触れない状態で置いてあるトランプの中から、見事当ててみせるといったことです。今回はソーシャルディスタンスを保って、僕の触れられないお客様の手の中で『奇跡』が起こる。その瞬間をそれぞれ身をもって体感できるものになっています。

コロナ禍での現在、興行を諦めるマジシャンの方も多いと聞きます。でも僕は『この状況だからこそ生み出せる素敵なマジックはないか』と研究をしていて、今回その集大成として大阪でお見せできることを心待ちにしています」

―HARAさんは奈良県ご出身ということですが、関西で公演をする意義など教えていただけませんか?

「日本はもちろん、世界で公演をしてきましたが、僕は大阪のお客様はラスベガスのお客様に近いと思っています。パフォーマーと一緒に盛り上げ、一緒に笑ってくれたりする。関西の方は暖かさがありますね」

―今回のソーシャルディスタンスでのマジックも一緒に盛り上がってくれそうですね。

「そうですね。客席との距離が離れていても、一緒に繋がれたらいいなと思っています」

―ソーシャルディスタンスを使った技は、どのように開発したのでしょう?

「今年1月からツアーをしていたのですが、このコロナの影響で7割くらいの演目ができなくなりました。最初はどうしようかと悩んでいた時期もあったのですが、アフリカの方から『自分の子供にマジックを見せたいからZoomを使って何かできないか』という依頼が来たんです。

当初、僕は『そんなZoom越しにしても、マジックの不思議さが伝わるのかな』って半信半疑でした。でも実際やってみると、そのお子さんが喜んでくれて。その時に僕は『モニターを挟んだり、離れていても、そこに適したマジックを生み出せば繋がることができる』と実感することができました。非常事態宣言の期間中は毎日Zoom越しにマジックを披露し、反応を研究していましたね」

―そのZoomでのリモートマジックが原点なんですね。

「そうですね。でも最初Zoomで披露した時はマジックの結末をこちら側で用意していました。例えば好きなトランプを言ってもらって、僕がそのトランプを見せて驚かせるというような。でも次第に『画面越しにいる子供たちの手の中で何かを起こしたい』と思うようになりました。そうすれば一生忘れられない思い出になるだろうって。

そこで海外の古い文献などを調べていくうちに、新しい形でのマジックが生まれたんです。それが今回の公演で最後に披露し、お客様の手の中で『奇跡』が起きる『Miracle』というマジックになります」

―最後のマジックの名前が今回の公演と結びついているんですね。この『Miracle』と名付けた理由は何なのでしょうか?

「僕自身コロナで公演がなくなり落ちこんだ時期があったんです。『このままマジシャンとしてやっていけるだろうか』なんて考えて。そんなある日、Twitterでドイツの理論物理学者のアインシュタインの『名言bot』を見てたんです。そこには『人生には、二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ』と書いてあって、そのとき気付かされました。

『このコロナの状況をもし奇跡のひとつとして仮定したら、何かこの状況の中で生み出せるものがあるのではないか』と思ったんです。だから、アインシュタインのその言葉に救われて、そこから今回の構想が生まれましたね」

―アインシュタインから生まれたショーというわけですね。

「インスピレーションは受けてますね(笑)。この言葉で、何気ない日常も全て奇跡と思えば何かワクワクできるのではないか。このショーを見てもらって、そういう部分を受け取ってもらえたらって思っています」

■夢は「宇宙に行くこと」そのモチベーションを保つには?

―HARAさんが考えるマジックの魅力とは何だと思いますか?

「やはり言葉を越えて繋がれるというところです。僕はもともと人見知りで、人とは喋れない性格だったんですけど、人前で何かができるようになったのは、マジックを始めてからですね。マジックは言葉を介さずに仲良くなれるので、世界中に友達もたくさんできているのもマジックのおかげです。僕のショーに来てくれた方には僕のとっておきのマジックを一つお教えするので、そのマジックをマスターするだけでも人生が少し楽しくなるだろうと思いますね」

―HARAさんが影響を受けたイリュージョニストはどなたなのでしょうか?

「幼少の頃、家族旅行で東京の井の頭公園に行ったことがありまして、そこでショーをしていたピエロのお兄さんですね。彼がシャボン玉を吹いて、それを掴んだら、パッとガラスの玉に変わるというマジックを披露していました。今となってはその彼の名前もわからない方なんですけど、それを見てマジックに夢中になっていきましたね」

―聞いたところによると、現在は宇宙に行きたいという夢を持ち続けているとのことですが。

「僕の知り合いに山崎大地さんという民間宇宙飛行士の方がいまして、その方にいろいろとお話を伺ったんです。宇宙飛行士も宇宙に行く前は『地球を見下ろして、世界を征服した気持ちや優越感に浸れるのではないか』って考えるらしいんです。

でも実際宇宙に上がると無重力で上下の無い世界。見上げると、宇宙船の小窓から地球が浮かんでるという光景が見れるというんです。自分が住んでた地球を遥か下から見ている感覚になったときに、感謝や謙虚な気持ちになっていったというお話を聞いたんです。僕も実際に行ってみたくて、その光景からインスピレーションを受けたマジックを、地球に帰って表現できたらいいなと思っています」

―具体的にはどのようなマジックになるか構想はあるのでしょうか?

「『今から、皆さんを宇宙に連れていきます』と言って、指をスナップしたら劇場の天井にプラネタリウムの星が光出します。そして、僕が観客席のお子様を抱きながら、星の間を空中浮遊する…ということを考えてます。でも宇宙マジックショーをするには、実際に行ってみないと説得力が無い。『行くしかない』というのが今の僕の思いですね」

―「宇宙に行く」というような壮大な目標を持ち続けるコツなどあるのでしょうか?

「実は僕は『自分のしたいこと』を続けて現在イリュージョニストとして活動しています。夢を諦めてしまう人というのは、実は本当に自分のしたいことを見失ってしまっているのではないか。例えば『生姜焼きを食べたい』と思えば、定食屋で生姜焼きを注文するだけですけど、見栄を貼って豚カツを頼んでしまうようなことが起こっているような気がします。

お笑い芸人の島田紳介さんはかつて、デビューしてどういう風に活躍したいかというのを紙に書いていたと聞いています。僕も彼に倣って中学生の頃に、イリュージョンでどのようになりたいかというのを紙に書き出したことがあります。不思議なことに今見返すと9割以上の願いが達成されているんです。なので、自分の本当にしたいことを紙に書いてみることを僕はオススメしています」

―最後にメッセージをお願いします。

「このコロナの影響で、みなさんも自分のしたいことが上手くいかなくて、モヤモヤがあると思います。今回僕のショーは皆さんの体で奇跡を体感してもらえるので、『アハ体験』に近い感覚を味わえるかと思います。このショーを見ていただくと、そんな悩みも吹き飛んで、気持ちを軽くしてくれるものになっています。ぜひ楽しい時間を過ごしていただけたらなと思っています」

「HARA”新感覚” Magic Show2020 ~Miracle~」は10月25日(日)大阪国際会議場メインホールで開演。

取材・文=さくらいけんたろう

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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